醍醐安之助

政治家としての足跡

醍醐安之助は、1912年に東京府で生まれ、戦後の混乱期に私設市場を経営していました。その後、1947年に東京都議会議員に初当選し、以後11期連続で当選を果たしました。都議会では、副議長、議長を歴任し、都政の発展に尽力しました。特に、大井競馬場の発展に力を注ぎ、日本初のナイター競馬開催を実現させるために競馬法改正に尽力しました。これらの功績から、大井競馬場には銅像が建てられています。

1965年には、東京都議会黒い霧事件と呼ばれる汚職事件が起こり、議長が辞任。醍醐は議長代行として議会運営に当たりましたが、都議会解散という事態に陥りました。その後の選挙で辛くも当選したものの、直後に交通事故で重傷を負うなど、政治家としての道のりは平坦ではありませんでした。

1973年には、東京都議会議長に就任。革新都政下で難しい議会運営を担いましたが、1975年に健康上の理由で議長を辞任しました。その後も議員活動を続け、1982年には勲二等瑞宝章を受章しました。1989年に政界を引退し、1991年に名誉都民に選定されました。

大井競馬場への貢献

醍醐安之助は、実弟の醍醐幸右衛門とともに東京都馬主会を設立し、初代会長を務めました。大井競馬場の発展に尽力し、その功績は非常に大きいとされています。特に、日本初のナイター競馬開催を実現させたことは、競馬界にとって画期的な出来事でした。彼の尽力により、大井競馬場は国内だけでなく国際的にも発展を遂げました。

波乱に満ちた人生

醍醐の人生は、政治家としての活躍だけでなく、様々な出来事が起こりました。都議会黒い霧事件では贈賄容疑で逮捕された議長の代わりに議会運営を行い、自民党の都議会解散を試みるも失敗。さらに、交通事故で同乗者が亡くなるという悲劇にも見舞われました。これらの出来事を乗り越えながら、政治家として生涯を全うしました。

その他の活動

政治活動以外にも、醍醐は様々な役職を歴任しました。全国都道府県議会議長会会長、アジア消防長協会会長、全国消防長会会長、東京都傷痍軍人会会長などを務めました。また、東京都テコンドー協会連盟の大会会長も務めるなど、多岐にわたる分野で活動しました。競走馬の馬主としても活動しており、所有馬が川崎記念で優勝した記録も残っています。

死後

1991年11月2日に名誉都民に選定されましたが、その翌日に死去。通常、名誉都民選定は選考委員会による審議が必要ですが、醍醐の場合は告別式に間に合わせるために知事の専決処分で決定されました。葬儀は池上本門寺で執り行われ、中曽根康弘が葬儀委員長を務めました。石原慎太郎、山東昭子など多くの著名人が参列し、その死を悼みました。墓標は中曽根康弘が揮毫しました。

まとめ

醍醐安之助は、東京都議会議員として長年活躍し、都政の発展に貢献しただけでなく、大井競馬場の発展にも大きく貢献しました。波乱に満ちた人生でしたが、その功績は後世に語り継がれています。


主な役職:
東京都議会議長（第24代）
全国都道府県議会議長会会長（第23代）
アジア消防長協会会長
全国消防長会会長
東京都傷痍軍人会会長
東京都テコンドー協会連盟大会会長

受賞:
勲二等瑞宝章
名誉都民

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