醤油粕

醤油粕（しょうゆかす）とは

醤油粕は、醤油の製造過程において、もろみを絞った後に残る副産物です。年間約10万トンが発生しており、その用途は多岐にわたります。

成分

醤油粕には様々な成分が含まれています。日本標準飼料成分表に基づく成分は以下の通りです。

水分: 12.0%
中性デタージェント繊維(NDF): 28.7%
可溶無窒素物(NFE): 25.1%
粗タンパク質: 24.2%
酸性デタージェント繊維(ADF): 23.4%
粗脂肪: 15.8%
粗繊維: 12.8%
粗灰分: 10.1%

また、キッコーマンの調査による乾物換算の基礎成分は以下の通りです。

可溶性窒素物: 26.6%
粗タンパク質: 25.1%
粗脂肪: 21.1%
粗灰分: 12.0%
水溶性窒素: 1.8%

微量成分としては、ビタミンE、ビタミンK1、ゲニステイン、ダイゼインなどが含まれています。特にイソフラボン類であるゲニステインとダイゼインは豊富です。

ビタミンE: 21.5mg/100g
ビタミンK1: 42.1μg/100g
ゲニステイン: 134mg/100g
ダイゼイン: 129mg/100g

利用方法

醤油粕は、その成分から様々な用途に利用されています。

飼料としての利用

醤油粕の一部は、飼料として利用されています。ウシ、ブタ、ニワトリに直接与えるほか、配合飼料の原料やサイレージへの添加にも用いられます。

廃棄物処理からリサイクルへ

かつては、醤油粕は水分や塩分を多く含むため、焼却や海洋投入によって処分されていました。しかし、2000年に施行された食品リサイクル法により、廃棄物の減量化が義務付けられ、乾燥設備の普及などによって再利用率が向上し、現在では95%以上となっています。

その他の利用方法

飼料以外にも、醤油粕は様々な用途に活用されています。

ボイラー燃料: 脂肪分が高いため、ボイラー燃料として利用されることがあります。
和紙の原料: 粗繊維が和紙の原料として利用された実績があります。
肥料: 窒素分を含むため、塩分を水洗いした上で肥料としての利用が研究されています。
機能性食品・調味料: イソフラボンや食物繊維を豊富に含むことから、機能性食品や調味料、漬物の漬け床などへの利用も検討されています。

番醤油

圧搾技術が未熟だった時代には、醤油粕に塩水を加えて混ぜ、再度醤油を抽出して搾る「番醤油」という方法も行われていました。

関連項目

酒粕
おから
油粕
大豆粕
しょうゆ油

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