里見義俊

新田義俊、またの名を里見義俊は、平安時代末期に生きた武将です。彼の生涯については不明な点が多いものの、里見氏に伝わる家系図にはっきりとその名が記されています。

彼は新田氏の初代当主である新田義重の庶長子として生まれました。しかし、正室の子ではなかったため、家督は異母弟である義兼に譲られ、分家することとなりました。その際、上野国新田荘竹林（高林）郷を与えられています。

久寿元年（1154年）から2年（1155年）頃、義俊は北方の碓氷郡（八幡荘）里見郷付近の碓氷城へと移り住み、山城を築いて居を構えました。この時、彼は里見氏と名乗るようになったと伝えられています。里見氏の始まりです。

義俊は父である義重よりも早くこの世を去ったとされています。彼の墓は天台宗の里見山光明寺にあり、そこに葬られています。

ただし、異説も存在します。それによれば、義俊は建久4年（1193年）8月に安房国の守護となり、安房国平郡（現在の平群郡）を拠点として安房里見氏の祖となったとも言われています。この説が正しければ、彼の足跡は上野国だけでなく、安房国にも及んでいたことになります。

このように、新田義俊、あるいは里見義俊と呼ばれる人物の生涯は、史料が乏しいため、不明な点が多く残されています。しかし、新田氏、そして里見氏という、後世に名を残すことになる武士団の源流に位置する人物として、その存在は重要です。今後の研究によって、彼の生涯がより明らかになることが期待されます。

里見氏の歴史を語る上で欠かせない人物であり、新田氏との関係、そして里見氏の成立過程を考える上で、重要な鍵を握っていると言えるでしょう。

もう一度検索