里見良顕

里見良顕（さとみ よしあき）は、嘉永5年（1852年）に生まれ、昭和9年（1934年）9月14日に没した、明治時代の官吏です。特に、仙台市長としての功績で知られています。

経歴

里見良顕は、明治維新後の地方自治制度が確立していく中で、仙台市の発展に大きく貢献しました。明治22年（1889年）には、初代仙台市長である遠藤庸治のもとで助役を務め、市政運営の基礎を築きました。この時期に、彼は地方自治に関する実務経験を積み重ね、その手腕を発揮していきました。

明治31年（1898年）には、第2代仙台市長に就任し、明治36年（1903年）までその任を務めました。市長在任中は、都市基盤の整備や産業の振興に尽力し、仙台市の近代化を推進しました。具体的な政策としては、道路の拡張や上下水道の整備、教育機関の充実などが挙げられます。これらの政策は、市民生活の向上に大きく貢献し、仙台市が東北地方の中心都市としての地位を確立する上で重要な役割を果たしました。

市長辞任後は、台湾総督府に活躍の場を移し、総督官房文書課・秘書課に職員として勤務しました。台湾総督府では、文書管理や秘書業務を通じて、台湾の統治に携わりました。大正5年（1916年）まで台湾総督府に勤務し、その後、官界を引退しました。

家系

里見良顕の父は、儒者であり、仙台藩校養賢堂の助教を務めた里見良恭（里見樵洞）です。良顕は、その長男として生まれました。また、仙台藩士で詩歌人であった里見重時の後裔でもあります。このような家系に生まれたことが、彼の学問に対する姿勢や社会貢献への意識に影響を与えたと考えられます。

人物

里見良顕は、冷静沈着で、責任感が強い人物であったと伝えられています。また、学問にも造詣が深く、教養豊かな人物として知られていました。仙台市長として、また台湾総督府の官僚として、その能力を高く評価され、多くの人々に信頼されていました。

参考文献
* 人事興信所 編『人事興信録 初版』人事興信所、[1903年]]。[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/779810。 

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