重地雷処理車

重地雷処理車（じゅうじらいしょりしゃ）

重地雷処理車は、第二次世界大戦の際にドイツで開発された地雷処理戦車です。この車両は、アルトマルク履帯工場（アルケット）とクルップ社という二つの企業によって実験的に製造されました。

開発の背景

1940年9月16日、ドイツ陸軍の要請に応じて、これらの企業に戦闘中でも使用可能な機械的地雷処理の車両の開発が依頼されました。アルケットは1942年8月に、クルップは1942年9月にそれぞれ試作車を完成させています。アルケットのモデルは「Alkett Minenroller」、クルップのモデルは「Krupp Räumer-S」として知られています。

アルケット製重地雷処理車

アルケットの重地雷処理車は、前面に巨大な二つの車輪を備えており、その周囲には「シュー」と呼ばれる可動式の鋼製ブロックがそれぞれ10個取り付けられています。後部にも同様の機構を有する小型の車輪が装備されており、地雷処理を効果的に行えるよう工夫されています。また、全周囲は40mmの厚さの装甲で覆われており、底面にも爆発耐性を持つ強化装甲が施されています。自衛用として、I号戦車に由来する機銃塔も装備されています。このモデルの一台は、クビンカ戦車博物館に展示されています。

性能諸元

• - 全長: 6.50m
• - 全幅: 3.17m
• - 全高: 2.80m
• - 主砲: 7.92mm MG13機関銃 ×2
• - 装甲: 40mm
• - 重量: 55t（38tという説もあります）
• - 出力: 300ps
• - エンジン: マイバッハHL120V12
• - 速度: 15〜20km/h

クルップ社製重地雷処理車

クルップ社製のモデルは、車両が中央で分割されている特徴があります。直径2.7mの鋼鉄製車輪が130tの車体を支えており、アルケット製のものとは異なる形状をしています。この車両は自衛用の砲塔を装備しておらず、アルケット製とは異なり、車輪には可動式の「シュー」がありません。地雷処理においては、前後で輪距が異なることで処理面積が広がる設計となっています。

ゲームにおける登場

重地雷処理車はさまざまなゲーム作品にも登場しています。例えば、『新コンバットチョロQ』では、Qシュタイン帝国の幹部「ナルマルガム中将」として敵キャラクターとして現れ、プレイヤーに立ちはだかります。また、『機動戦車チハたん』では「アルマ」という名前で登場し、特殊攻撃を持つキャラクターとして描写されます。さらに、『トータル・タンク・シミュレーター』では、アルケット製の重地雷処理車が自走式地雷として戦闘に参与し、自衛用の砲塔を持ってキャラクター化されています。イタリアのDLCでも地雷スポナーとして登場しています。

外部リンク

• - クビンカ戦車博物館: Противоминный трал Alkett VsKfz 617/NK-101 Minenräumer

重地雷処理車は、そのユニークな設計と実用性において、歴史上重要な役割を果たした機体であり、現在も博物館でその姿を目にすることができます。

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