重松泰雄

重松 泰雄（しげまつ やすお）について

重松泰雄は1923年1月6日に愛媛県で生まれた、日本の近代文学研究の第一人者です。彼は、東洋学者である重松俊章の次男として、学問の道を歩むことになります。福岡県の修猷館中学校を卒業後、彼は九州大学に進学し、国文学専攻の博士課程に入りますが、途中で中退します。彼の学問への情熱は消えることなく、1968年には「西洋文学・西洋思想受容の問題を端緒とせる明治文学の研究」というテーマで文学博士の学位を取得しました。

その後、九州大学において助教授や教授として教鞭を執り、1985年には定年を迎えるまで、その知識と教えを学生たちに伝え続けました。退官後も名誉教授として活動し、福岡大学でも教授として教えるなど、長年にわたり日本の文学教育に貢献しました。1993年に再び定年を迎え、その業績は広く認知されています。

主な著作

重松は数多くの著作を残しており、特に明治文学研究において重要なものとされています。彼の代表的な著作には以下のものが含まれます。

• - 『明治の文学』（桜楓社, 1968年）
• - 『漱石 その歴程』（おうふう, 1994年）
• - 『漱石 その新たなる地平』（おうふう, 1997年）
• - 『漱石 その解纜』（おうふう, 2001年）
• - 『鴎外残照』（おうふう, 2001年）

これらの著作は、特に夏目漱石や森鴎外の研究を通じて近代日本文学の理解を深める上で欠かせない資料となっています。また、重松は共編著や記念論集の出版にも力を入れ、多くの論考を世に送り出しました。共編著には以下のようなものがあります。

• - 『森鴎外 学生版』（東出版, 1963年）
• - 『類別萬葉抄』（明玄書房, 1964年）
• - 『大正の文学 研究と鑑賞』（桜楓社, 1975年）
• - 『新集近代の小説』（桜楓社, 1975年）
• - 『森鴎外』（桜楓社, 1991年）

さらに、1986年には「原景と写像 近代日本文学論攷」という記念論集が刊行され、彼の学問的貢献を他の研究者と共に振り返る機会となっています。

重松泰雄の研究は、近代日本文学の領域での重要な知見を提供し、多くの後進たちに影響を与えてきました。彼の学識と情熱は、日本文学の理解を深める上で、大きな役割を果たしたのです。彼の業績は今後も引き継がれ、永遠に評価され続けることでしょう。

もう一度検索