重松俊章

重松俊章の生涯と業績

重松俊章（しげまつ しゅんしょう）は、1883年11月18日に愛媛県温泉郡荏原村で生まれました。彼は、日本の東洋学者として著名であり、真言宗豊山派の僧侶でもありました。彼の学問と宗教活動は、彼の人生における重要な側面でした。

重松は1894年に得度し、私立豊山中学校を卒業しました。その後、1909年には東洋大学本科を3年間学び退学し、さらに東京帝国大学文科大学に進学して史学を専攻しました。1913年には東京帝国大学を卒業し、学問の道に進むための準備を整えました。

1919年、重松は松山高等学校の教授に就任し、1926年からは1年間の中国留学を経て、1927年に九州帝国大学法文学部で東洋史学講座の初代教授として就任しました。このころから彼は、東洋史の研究において多くの業績を残し始めました。1944年には定年退官しましたが、その後も精力的に活動を続けました。

退官後は、松山市にある四国八十八箇所霊場第51番札所の熊野山石手寺の第41世住職に就任し、宗教と学問の両立を実現しました。また、1945年には教え子の星野通の招きにより松山商科大学の教授として再度教鞭を執ることになりました。

彼の研究分野は、多岐にわたりますが、特に西域史や中国古代の民俗学に重点を置いていました。重松は、白雲宗、マニ教、弥勒教徒、白蓮教徒など、中国における邪教の研究においても先駆的な存在として評価されています。このような多様なテーマを通じて、彼は日本における東洋学の発展に貢献しました。

重松は、学問だけでなく著作活動にも力を注いでおり、数多くの書籍を執筆しています。代表作には、『印度の古文明』や『中学校用甲種 新説東洋史』があり、これらは教育の場でも広く利用されました。また、「東亜古代の祓除に就て」という論文も発表し、社会科学の発展に寄与しています。

1957年には、九州大学文学部東洋史研究室により彼の古稀を祝う記念論集が刊行されました。これにより、生涯を通じての重松の研究が広く知られることとなりました。

重松俊章は1961年10月6日に亡くなりました。彼の専門性や活動は、後の世代に多大な影響を与え、次男の重松泰雄も九州大学の名誉教授として活躍しています。彼の業績は、日本の東洋学の発展における重要な一歩を形成しました。彼の貴重な研究と教育の功績は、今なお多くの人々に受け継がれています。

もう一度検索