重松鷹泰

重松鷹泰

重松鷹泰（しげまつ たかやす、1908年8月7日 - 1995年8月7日）は、日本の教育学者で、名古屋大学の名誉教授を務めた人物です。彼の専門分野は教育方法論であり、特に授業分析に関する研究で知られています。

生涯

重松鷹泰は東京で生まれました。旧制第一高等学校理科を卒業後、1928年に徳島県大津東小学校で代用教員として教職のキャリアをスタートさせました。その後、1932年に東京文理科大学教育学科教育学専攻を卒業し、東京府豊島師範学校の講師となります。1937年には教育科学研究会生活教育研究部会に参加し、教育指導部幹事に就任しました。

戦時中の1941年には東京府学務部に勤務し、1944年には応召され中国に出征しました。終戦後の1946年には文部省教科書局小学校社会科担当となり、小学校社会科の創設と学習指導要領の策定に深く関わりました。1947年には奈良女子高等師範学校附属小学校主事、1952年には名古屋大学教育学部の教授に就任しました。1972年に名古屋大学を定年退官し、名誉教授となりました。退官後も教育への情熱は衰えず、1972年に帝塚山学園授業研究所の設立に際して所長に就任し、東京都立教育研究所長も兼務しました。1983年には日野市立幼児教育センター所長、1985年には帝塚山小学校顧問を務めるなど、晩年まで教育現場に貢献しました。

1967年には中日文化賞を受賞し、没後には正四位を追贈されました。

業績

重松鷹泰は、戦後の教育改革期において、社会科教育の基礎を築いた功績が高く評価されています。文部省での教科書編集や学習指導要領の作成を通じて、新しい社会科教育の方向性を示しました。また、授業分析という視点を取り入れ、教育方法の改善に貢献しました。彼の研究は、教師が授業を客観的に分析し、改善するための具体的な方法を提供し、教育の質を高める上で重要な役割を果たしました。

著書

重松鷹泰は多数の著書を通じて、教育に関する自身の考えや研究成果を発表しました。以下に代表的な著書をいくつか紹介します。

『教育の科学化』（1949年）
『社会科教育法』（1955年）
『授業分析の方法』（1961年）
『わかる授業・わからせる授業』（1970年）
『教育方法論』（1975年）
『子どものための教育』（1979年）

これらの著書は、教育学の研究者や教育現場の教師들에게広く読まれ、参考にされています。

重松鷹泰の教育に対する情熱と実践的な研究は、日本の教育界に大きな影響を与え、その功績は今日でも高く評価されています。

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