重田康光

重田康光：光通信創業者、栄光と挫折、そして再起

重田康光（しげた やすみつ）は、1965年生まれの実業家であり、株式会社光通信の創業者として知られています。同社の代表取締役会長兼CEOを務めています。

生い立ちと起業

東京都で弁護士の家庭に生まれ育ちました。巣鴨高校を卒業後、専門学校と大学に進学するも、いずれも中退。その後、電話加入権販売の企業を経て、1988年に光通信を設立しました。当初は第二電電（現KDDI）の代理店としてスタートし、その後携帯電話販売事業へ軸足を移し、会社を急成長させました。

ITバブルと栄光

1996年には史上最年少の31歳で株式を店頭公開。1999年には、当時史上最年少の34歳で東京証券取引所第一部への上場を果たし、光通信は一躍脚光を浴びました。同年には、米経済誌『フォーブス』で世界第5位の富豪として紹介され、その資産は250億ドル（約2兆6000億円）と報じられました。まさに時代の寵児として、ITバブルを牽引する存在となりました。

転落と再建

しかし、2000年に『文藝春秋』で携帯電話の架空契約問題、いわゆる「寝かせ」が報道されます。キャリアからのインセンティブを得るために大量の架空契約が行われていたというものでした。この報道を受け、光通信の株価は暴落。最高値24万円から3,600円台まで急落するという事態になりました。重田氏はソフトバンクの社外取締役も辞任することになります。

その後、重田氏は事業再建に尽力。シャープの複写機販売・リース事業を中核とする事業転換を行い、私財100億円を投じるなど、再建に奔走しました。2003年には代表取締役会長兼CEOに就任し、2004年には黒字化を達成。見事、事業再建を成功させました。

現在

2019年には、『フォーブス』の長者番付ランキングで世界394位、国内6位にまで順位を回復しています。どん底から再び経済界のトップランナーへと返り咲いたその手腕は、高く評価されています。

略歴

1965年 - 東京都に生まれる。
1988年 - 株式会社光通信を設立。
1996年 - 光通信を株式店頭公開。
1999年 - 光通信を東証一部に上場。ソフトバンク株式会社 社外取締役に就任。
2000年 - 携帯電話架空契約事件発覚。ソフトバンク株式会社 社外取締役を辞任。
2001年 - 光通信の事業再建のため、私財を投じる。
2003年 - 代表取締役会長兼CEOに就任。
2019年 - 日本長者番付で第6位（フォーブス誌）。
* 2023年 - 日本長者番付で第5位（フォーブス誌）。

まとめ

重田康光は、光通信の創業者として、ITバブルの隆盛と崩壊、そしてその後の再建という、波瀾万丈な道のりを歩んできました。その経営手腕と不屈の精神は、多くの経営者にとって参考になることでしょう。

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