重野由紀

重野由紀：囲碁の普及に情熱を注いだ棋士

重野由紀（しげの ゆき、1965年12月18日 - ）は、新潟県出身の日本の囲碁棋士であり、島村俊廣九段門下、日本棋院所属の二段です。彼女は特にヨーロッパにおける囲碁の普及活動に尽力し、国際囲碁連盟事務局長を務めるなど、国際的な舞台でも活躍しました。

囲碁との出会いとプロへの道

10歳の時に囲碁を覚えた重野由紀は、1978年に日本棋院の院生となり、プロ棋士を目指します。そして1986年、念願の初段を অর্জন、1994年には二段へと昇段しました。

ヨーロッパでの普及活動

1997年、重野由紀はヨーロッパでの囲碁普及活動のため、イタリアのミラノに移住します。当初は1年間の予定でしたが、公務期限が延長され、国際交流基金の支援も受け、活動を継続しました。イタリアを拠点に、スロバキア、インド、トルコ、スイス、オーストリア、ハンガリー、ドイツ、チェコ、アメリカ、スペインなど、ヨーロッパ各地の碁コングレスや囲碁クラブ、学校などで熱心に普及活動を展開。その活動は東欧にも広がり、ウクライナなど約20カ国を訪問し、囲碁の魅力を伝えました。

1997年5月から2002年12月まで、雑誌『棋道』と『碁ワールド』で「由紀のイタリア日記」を連載し、ヨーロッパでの生活や囲碁普及活動の様子を伝えています。また、1999年にパリで行われた棋戦戦の第1局では記録係を務めました。

結婚と帰国、そして国際囲碁連盟へ

2000年、重野由紀はミラノでイタリア人男性と結婚。2006年に帰国し、国際囲碁連盟事務局長に就任しました。2017年には日本棋院常務理事に就任し、日本と世界の囲碁界の発展に貢献しました。

参考文献

『棋道』1988年1月号（「若手女流棋士信州座談会 プロの青春ってなんだ!」）
『棋道』1997年5月号〜『碁ワールド』2002年12月号
* 日本棋院アーカイブ「イタリア日記」

重野由紀は、その情熱と行動力で、ヨーロッパにおける囲碁の普及に大きく貢献した人物として、囲碁史にその名を刻んでいます。

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