野ばら社

野ばら社は、1929年（昭和4年）10月20日に設立された、東京都北区西ケ原に拠点を置く出版社です。設立当初から、唄本をはじめ、書道、図画、図案、百人一首など、日本の伝統文化や芸術に関連する書籍を数多く出版しています。

創業者の志村文蔵は、静岡県出身で、代用教員を経て上京後、國民新聞の記者としてキャリアをスタートさせました。徳富蘇峰や石川武美といった著名な人物との交流を通じて見識を深め、その後、主婦の友社や大日本雄辯会講談社での勤務経験を経て、独立を果たしました。この独立が、野ばら社設立へと繋がっています。

野ばら社は、第二次世界大戦による一時的な活動中断を余儀なくされましたが、戦後の1946年（昭和21年）には出版活動を再開しました。特に注目すべきは、子供向け時事解説書である『児童年鑑』の発行です。この『児童年鑑』は、1943年（昭和18年）から1948年（昭和23年）までの中断期間を除き、昭和32年版まで長きにわたり発行され、当時の子供たちの学習に貢献しました。また、『学友年鑑』や『昭和年鑑』といった年鑑も発行しており、幅広い読者層に支持されていました。

戦前には「第一線社」の名前で『学友第一線』という学習雑誌を発行しており、時事解説を通じて子供たちの学習を支援していました。創業者である志村文蔵は、同郷の書家である高塚竹堂と親交が深く、高塚による手本書などを数多く出版しました。

野ばら社は、その長い歴史の中で、日本の文化や教育に貢献してきた出版社であると言えるでしょう。現在も、「野ばら子さん」というマスコットキャラクターを擁し、SNSを通じて情報発信を行っています。

所在地

東京都北区西ケ原1-16-14

最寄駅は、山手線・東京メトロ南北線駒込駅と、南北線西ケ原駅です。

外部リンク

公式サイト
きょうの野ばら子さん
野ばら社 (@nobarako) - X（旧Twitter）
野ばら社 (野ばら社-126341864134216) - Facebook
* 野ばら社 (@nobarasha) - Instagram

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