野並村

野並村の概要

野並村（のなみむら）は、愛知県愛知郡に属していた村で、現在の愛知県名古屋市天白区にあたる地域に位置していました。

地名の由来

「尾張国地名考」によると、野並という名称は「鳴海野に並ぶゆえに」という理由から来ています。この鳴海野は鳴海潟の近くに広がる野原を指し、松巨島の方から見ると、干潟の向こう側に広がる野原や草原が見えたことから名付けられたとされています。

野並村の歴史

江戸時代の記録

1601年、慶長6年の文書には、野並村という名称が初めて記されています。これは、小笠原吉次が大宮司の千秋李信を通じて庄屋に命じたもので、当時の領主や村の様子が垣間見えます。また、同年には徳川家康が大宮司領を安堵し、その中に野並村の名も見受けられます。江戸時代の後期には、家61軒、男女合わせて約200人の村民が存在していたことが記録されています。

明治時代の合併

1872年、尾張藩の後に名古屋県が愛知県へと改称され、野並村は第二大区第十小区に組み込まれました。1889年には、島田村と合併して島野村が成立し、その結果野並村は廃村となります。この合併により、野並の地名としての歴史は終焉を迎えますが、その後も地域の発展は続きました。

現在の野並

1974年には、昭和区天白町の一部が新たに野並一丁目から四丁目に分かれ、1975年には天白区が設立される際にその地域が所属するようになりました。また、1978年には天白町大字野並の一部と緑区鳴海町の一部分が統合され、野並三丁目が新設されています。

参考文献

この歴史に関しては、熱田神宮文書や伊奈忠次書状写、千秋家文書など複数の文献が参考にされており、地域の歴史を知る上で貴重な資料となっています。

結論

野並村は明治時代に消滅しましたが、その名や地域に関する歴史は今も地域の文化とアイデンティティの一部として息づいています。愛知県名古屋市天白区における村の歴史を理解することは、地域の変遷を知る上で重要な要素となります。

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