名古屋県

名古屋県について

名古屋県（なごやけん）は、愛知県に先立つ存在として1871年に設置された県であり、短期間のうちにその役割を終えました。名古屋藩の後身としてスタートし、その後の行政区画の整備に重要な役割を果たしました。以下では、名古屋県の成り立ち、管轄地域、歴代知事について詳しく解説します。

沿革

名古屋県の歴史は主に二度の設置にわたります。まず、1871年7月14日に廃藩置県が施行された結果、名古屋藩が廃止され、名古屋県（第1次）が設立されました。この時、徳川慶勝が初代知県事として任命され、愛知県の基盤となる地域が形成されました。

その続きとなる11月15日に、新たに額田県が設置され、名古屋県の一部地域が移管されました。さらに、11月22日には第1次府県統合が行われ、知多郡を除く尾張国に名古屋県（第2次）が再設置され、犬山県を統合しました。

1872年4月には、名古屋県（第2次）が所在地の郡名にちなんで愛知県に改称され、同年11月27日には額田県が愛知県に吸収される形で、愛知県が現在の区域を持つことになります。

管轄地域

名古屋県が管轄していた地域は、設置時期によって異なります。

• - 第1次名古屋県 : 名古屋藩の領地に加え、名古屋藩に併合されていた高須藩の土地も含まれていました。
• - 第2次名古屋県 : 尾張国の各郡を含み、具体的には愛知郡、春日井郡、丹羽郡、葉栗郡、中島郡、海東郡、海西郡がここに含まれていました。

なお、太政官の布告によれば、信濃国の伊那郡にあたる旧名古屋県の飛地領（高須藩領）も管轄するとされていましたが、これが実際にどれほどの意義を持ったかは不明な点があります。

歴代知事

名古屋県の知事には、以下のような歴史的人物がいました。

• - 第1次名古屋県 : 最初の知県事は徳川慶勝であり、彼は名古屋藩の終焉を迎える中で新たな行政の構築に貢献しました。
• - 第2次名古屋県 : 11月22日から12月8日までの短期間に参事の間島冬道が任命され、その後、井関盛艮が権令として4月2日までの間を担当しました。彼らは共に名古屋県から愛知県への移行に関与しました。

名古屋県は、その存在は短かったものの、愛知県の成立に向けての重要な転換点となり、近代日本の県制の基盤を築く役割を果たしました。名古屋県の歴史を通じて、地域の発展や行政の進展がどのように行われたのかを知ることは、日本の地方自治の歴史を理解する上で非常に重要な一環です。

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