野中郁江

野中 郁江のプロフィール

日本の著名な会計学者、野中郁江（のなか いくえ）は、12月13日生まれで、明治大学の名誉教授として知られています。彼は長い間、明治大学商学部で教授として教育に力を尽くし、特に学校法人の会計制度に関する豊富な知識を持っています。

経歴

野中は1975年に東京教育大学文学部東洋史学科を卒業し、その後、明治大学の大学院商学研究科に進学しました。1977年には商学修士の学位を取得し、1984年には博士課程を単位取得後退学しましたが、2005年には「会計制度の構図に関する一考察」により明治大学から博士（商学）の学位を授与されました。また、2008年には著書『国有林会計論』が評判を博し、会計理論学会から学会賞を受賞しました。

野中は、泡瀬干潟埋立裁判において、事業の経済合理性に疑問を呈する証言を行ったことでも知られています。これに加え、労働運動にも積極的に参加し、東京私大教連で書記長や中央執行委員長を歴任し、日本私大教連でもさまざまな役職を担いました。また、労働関係の裁判でも鑑定意見書を提出し、幅広い知識と経験を活かして貢献してきました。

2022年には明治大学を定年退職し、名誉教授の称号を受けました。退職後も活動は活発で、2024年にはツカモトコーポレーションの社外取締役に就任しています。

投資ファンドAPF関係者からの提訴

野中は2011年に『経済』誌で発表した論文や、東京都労働委員会に提出した鑑定意見書に関して、タイの投資ファンド「アジア・パートナーシップ・ファンド（APF）」及び関連会社の経営者から名誉毀損を理由に提訴されました。提訴では5500万円の損害賠償が求められましたが、野中は2013年に反訴を行いました。東京地方裁判所は2014年に両方の訴えを棄却し、2015年には最高裁判所が上告を棄却する旨の決定を下しました。これにより、野中はこの訴訟において勝利を収めました。

主な著書

野中は多くの著作を通じてその専門知識を発表しています。彼の主な単著には、

• - 『現代会計制度の構図』 (2005年、大月書店)
• - 『国有林会計論』 (2006年、筑波書房)
• - 『私立大学の財政分析ハンドブック』 (2020年、大月書店)

また、共著も数多くあり、他の研究者との協力を通じて会計理論や実務に関する貴重な文献を提供しています。彼の共著作品には、

• - 『旭化成・三菱化成: 先端技術にかける化学』 (1991年、大月書店)
• - 『ゼネコン危機の先を読む』 (2001年、新日本出版社)
• - 『建設: 問われる脱公共事業産業化への課題』 (2001年、大月書店)

野中郁江は、その専門的な知識と広範な業績を通じて、会計学のみならず教育界や労働問題においても重要な貢献をしている人物です。

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