大月書店

株式会社大月書店の概要

株式会社大月書店は、日本の東京都に本社を構える出版社です。主に社会、政治、人文、思想に関連する書籍を発行しており、その中でも特にマルクス主義に関する書籍において多くの出版実績を誇っています。また、大月書店は人文会や草文会の会員でもあり、専門的な知識に基づいた出版活動を行っています。

沿革と創立

1946年11月、大月書店は小林直衛や有賀新など9名の個人によって資本金100万円で設立されました。「大月」という名称は、小林の出身地である山梨県の大月市に由来しています。設立後すぐに、尾崎秀実の『愛情はふる星のごとく』を出版し、その後千野敏子の『葦折れぬ　一女学生の手記』が実質的な初の公式な刊行物となりました。

1948年に創業者の小林が病に倒れると、有賀が経営を引き継ぎ、マルクス主義関連の教材や古典的文献のコレクション手配が始まりました。1950年代には、M・L研究所訳の『マルクス＝エンゲルス選集』全23巻や『スターリン全集』全13巻などの大規模な出版プロジェクトが進行しました。このようにして、大月書店は左派系の著作の普及に貢献し、特に日本共産党の推奨書籍の発行を行うようになりました。

現在の活動と主要刊行物

1970年代以降、大月書店は「国民文庫」を通して多様な文献を刊行するようになりました。このシリーズでは、入門書から歴史的著作まで幅広く取り扱い、特に自然科学や現代の教養に関する書籍などが含まれます。

1990年代には、活版印刷技術の衰退に伴い、過去の作品はCD-ROM形式に移行し、現在は『マルクス＝エンゲルス全集』などの資料をオンラインでも提供しています。これにより、広く読者にアクセス可能な形で思想史的な資料を流通させています。

主な刊行物には、以下のような作品があります。

• - マルクス主義文献

- カール・マルクス『資本論』や『共産党宣言』
- 『マルクス＝エンゲルス全集』全49巻
- レーニンやスターリンに関する全巻シリーズ

• - 講座シリーズ

- 経済学、歴史、哲学に関する各講座

• - 著作集・選集

- 見田石介や堀江正規の著作集
- 各種資料集

会社の基盤

大月書店は、文京区本郷の大学通信教育ビルに社名を移して以来、出版の自由と知識の普及に重きを置いています。出版活動においては、特に社会に深く根ざした思想や歴史を掘り下げることに注力し続けています。この姿勢は今後も変わることなく、知識の普及と文化の発展に寄与していくことでしょう。

大月書店は、これからも日本における思想的多様性を豊かにしていくための重要な役割を果たしていくと期待されています。

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