野口昇

野口昇（のぐち のぼる）

野口昇は、1922年3月18日に愛知県名古屋市で生まれ、1945年にフィリピンで戦死した昭和前期のプロ野球選手です。彼は、プロ野球界で活躍した野口四兄弟の三兄として知られています。兄たちは明と二郎で、彼自身も内野手として阪神軍にてプレーしました。

来歴

野口は名古屋市の中京商業学校（現在の中京大学附属中京高等学校）で野球を始めました。彼は兄たちを追う形でこの学校に入学し、野球部に加わりました。彼の高校時代には1939年と1940年の選抜中等学校野球大会にて三塁手として出場しましたが、チームは優勝には至りませんでした。

1941年、彼は阪神軍に入団し、同年には74試合に出場しました。プロとしてのキャリアの中で、1942年にはさらに多くの試合に出場し、105試合に出場してチームの中心選手としての役割を果たしました。

しかし、1943年には戦争の影響で従軍し、満州へ派遣されます。戦争が続く中で、彼の運命は暗いものとなり、1945年にフィリピンで戦死しました。彼の名前は、野球選手としての遺産を称えるために、財団法人野球体育博物館の「鎮魂の碑」に刻まれています。

野球経歴

甲子園成績

• - 第16回選抜中等学校野球大会（1939年春）

- 勝：海草中学（7-2）
- 勝：徳島商業（6-3）
- 勝：小倉工業（4-1）
- 敗：岐阜商業（5-6、準決勝）

• - 第17回選抜中等学校野球大会（1940年春）

- 敗：京都商業（1-6、2回戦）

野口のプロとしてのキャリアは短命でしたが、彼は両親の期待と兄たちの背中を追いかける努力をしていました。阪神軍の中では、必要な戦力として貢献し続けたことが彼の野球人生の重要な要素となりました。

特に印象深い対戦として、自身の兄弟である二郎（投手）と明（捕手）のバッテリーに対して打席に立った際には、野口の思い出に残る試合の一つとなりました。家族での競演は、野口にとって特別な意味を持っていたことでしょう。

映画とドラマ

彼の生涯は、2017年に放送されたNHK総合のドラマ「1942年のプレイボール」にも描かれました。このドラマは、野口四兄弟の物語を中心に展開されており、その活躍や悲劇的な運命が視聴者に伝えられました。

最後に

野口昇は、戦争の犠牲となった多くの若者の一人であり、スポーツを通じて感じた夢や情熱、そして彼の家族の絆を思い起こさせる存在です。阪神軍の一員として戦った彼の努力と、プロ野球界への影響は後世にわたり語り継がれていくことでしょう。

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