野口明彦

野口 明彦（のぐち あきひこ）氏は、1953年3月6日に東京都中野区に生まれた、日本の音楽界を代表するドラマーの一人です。

キャリアの始まり：シュガー・ベイブ

野口氏のプロミュージシャンとしての歩みは、1972年に始まります。当時、大貫妙子氏のセッションに参加していた彼は、その場に居合わせた山下達郎氏から声をかけられます。この出会いがきっかけとなり、大貫氏と山下氏が進めていた自主制作LPの制作に参加することになりました。ここで後にシュガー・ベイブのメンバーとなる村松邦男氏、鰐川己久男氏らと共に音楽制作を進め、やがて彼らは一つのバンド、シュガー・ベイブとして活動を開始します。野口氏はその創設メンバーとして、バンドの屋台骨となるドラムを担当しました。

センチメンタル・シティ・ロマンスへ

シュガー・ベイブでの活動は日本の音楽史に名を刻むものとなりましたが、野口氏は1975年にバンドを離れます（後任のドラマーは上原裕氏）。そして次に活躍の場を移したのが、同じく実力派バンドとして知られるセンチメンタル・シティ・ロマンスでした。ここではバンドの一員として、新たなサウンドメイキングに貢献しました。

フリーランスとして活動の幅を広げる

1980年にセンチメンタル・シティ・ロマンスを脱退した野口氏は、以後フリーランスのドラマーとして活動することを選びます。この時期から、日本の様々なジャンルのトップアーティストたちのライブやレコーディングに参加し、その確かなテクニックとグルーヴで多くの楽曲を彩ってきました。そのサポートワークは非常に多岐にわたり、以下のような数多くのアーティストの音楽を支えています（順不同）。

加藤登紀子
柳ジョージ
浜田省吾
竹内まりや
鈴木祥子
来生たかお
宮原学
山根麻衣
EPO
五島良子
岡村孝子
服部祐民子
橘いずみ
柿島伸次
Le Couple|Le_Couple
辛島美登里
楠瀬誠一郎
CHARA
* Kiroro

これらのアーティストとの共演は、野口氏がジャンルを超えて求められる存在であることを示しています。

センチメンタル・シティ・ロマンスへの復帰と新ユニット

フリーランスとして精力的に活動を続ける中、1993年にはかつて在籍したセンチメンタル・シティ・ロマンスにサポートメンバーという形で再び参加。縁のあるバンドとの関わりを再開させます。

さらに1998年には、ギタリストの岩田浩史氏と共に、ドラムとギターというシンプルな編成のユニークなユニット「Brush&Picks」（ブラッシュ＆ピックス、通称「ブラピ」）を結成。編成の特性を活かしたサウンドで、新たな表現を追求しています。

野口明彦氏は、シュガー・ベイブ、センチメンタル・シティ・ロマンスといった伝説的なバンドの初期を支え、その後もフリーのドラマーとして第一線で活躍し続ける、日本の音楽シーンに欠かせない存在です。そのキャリアは、多くの名曲やアーティストたちの活動と深く結びついています。

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