柳ジョージ

柳ジョージ: 日本の音楽シーンの伝説

柳 ジョージ（やなぎ ジョージ）、本名は柳 譲治（やなぎ じょうじ）。1948年1月30日生まれ、2011年10月10日没。彼は日本のミュージシャンとして幅広い影響を持ち、特にブルースロック界で名を馳せました。

幼少期と教育

横浜市南区に生まれ育ち、戦後の中流家庭で育った柳は、横浜市立蒔田中学校を卒業後、日本大学藤沢高等学校を経て日本大学法学部を卒業しました。学生時代には「ザ・ベンチャーズ」の影響を受け、ギターを手に取るようになります。当時、全共闘運動が活発でしたが、柳は参加せず、音楽への情熱を育んでいきました。

音楽キャリアの始まり

1969年、柳はブルースロックバンド「パワーハウス」を結成し、プロとしての音楽活動を開始しました。しかし、彼は急なベーシスト転向を強いられることになります。これが彼の後の音楽スタイルにおける多様性へとつながりました。その後、「ザ・ゴールデン・カップス」にベーシストとして加入し、活動を続けます。

1972年には一度サラリーマン生活を経験しますが、その心は音楽に引き寄せられ、イギリスに渡って活躍中のミュージシャンたちと交流を持ち、再び音楽の道を歩むことを決意。

柳ジョージ＆レイニーウッドの誕生

1975年に「柳ジョージ&レイニーウッド」を結成し、1978年にはアルバム『TIME IN CHANGES』でデビューすると、R&Bを基盤とした独自の音楽スタイルを築き上げます。特に「雨に泣いてる…」は1979年に大ヒットを記録し、その名は広まります。この楽曲はドラマのテーマ曲にも起用され、多くのリスナーの心に残る一曲となりました。

さらに1980年には日本武道館で初のコンサートを開催し、多くのファンを魅了しました。しかし、1981年に「柳ジョージ&レイニーウッド」を解散し、その後はソロ活動に専念することとなります。

積極的なコラボレーションと活動

ソロアーティストとなった柳は、1982年にはレイ・チャールズとのジョイントコンサートを行うなど、様々なアーティストとコラボレーションしました。また、2005年には「柳ジョージ&レイニーウッド」を再結成し、フジロックフェスティバルに出演するなど、その活動は多岐にわたりました。

音楽スタイルと特徴

柳のスタイルは「和製クラプトン」と称されることもありましたが、彼自身は特にエリック・クラプトンを敬愛していたわけではありません。むしろデイヴ・メイスンに魅力を感じていたことが知られています。ギターは主にフェンダー・ストラトキャスターを使用し、レコーディングではギブソン・レスポールが好まれていました。彼の音楽はブルースを基盤とし、深みのあるギタープレイが特徴です。

私生活と人柄

柳ジョージは非常に読書家であり、特に歴史や時代小説を愛読していました。また、イラストも得意とし、楽曲だけでなく、アートにも親しみを持っていました。生涯で数々の楽曲やアルバムを残し、特に1980年にリリースされた「微笑の法則 〜スマイル・オン・ミー〜」はグラミー賞を受賞するなど、高く評価されています。

2011年、彼は横浜の病院で腎不全のため63歳で亡くなりました。その後も彼の音楽は多くのファンに愛され続けており、影響力ある存在として音楽の歴史に名前を刻んでいます。

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