野村万作 (政治家)

野村萬作（1899年 - 1978年）は、日本の政治家、実業家です。彼は初代公選の奈良県知事（在任期間：1947年 - 1951年）を務めました。

経歴

野村萬作は旧制第八高等学校を経て、1924年（大正13年）に東京帝国大学法学部を卒業しました。卒業後、内務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。終戦直後には、奈良県の官選知事を務めました。

1947年、初の公選による知事選挙に立候補します。この選挙では、社会党と日本共産党が推薦する弁護士出身の小野正一も立候補しており、彼は元官選知事でもありました。選挙の結果、小野が5人の候補者の中で最多得票を獲得しましたが、法定得票の37.5%には届かず、決選投票が行われることになりました。しかし、決選投票直前に小野が公職追放となり、次点の野村萬作が初代公選知事に就任することになったのです。

知事在任中、野村萬作は自治体警察の発足や県立高校の新設など、様々な政策に取り組みました。戦後の混乱期において、地方自治の確立と教育の振興に尽力したと言えるでしょう。しかし、1951年の知事選挙では、同じく内務官僚出身の奥田良三に敗れ、知事の座を明け渡すことになりました。

知事落選後、野村萬作は実業界に転身し、三栄相互銀行の社長に就任しました。政治の世界から金融の世界へと活躍の場を移し、新たなキャリアを築きました。

野村萬作は、内務官僚から地方自治の長、そして実業家へと、多様な顔を持つ人物でした。激動の時代において、それぞれの立場で社会に貢献した彼の足跡は、記憶されるべきでしょう。

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