野村豊弘

野村豊弘（のむら とよひろ）

野村豊弘は、1943年生まれの日本の法学者であり、民法を専門としています。東京大学で法学博士号を取得後、長年にわたり学習院大学で教鞭を執り、多くの人材育成に貢献しました。その間、学習院大学の教務部長や法学部長といった要職を歴任し、大学運営にも深く関わりました。

学歴

1962年3月 東京都立日比谷高等学校卒業
1966年3月 東京大学法学部第一類卒業
1968年3月 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了（法学修士）
1974年3月 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了（法学博士）

職歴

1971年4月 - 1974年3月 学習院大学法学部専任講師
1974年4月 - 1979年3月 学習院大学助教授
1979年4月 - 2004年3月 学習院大学教授
1991年4月 - 1995年3月 学習院大学教務部長
1995年4月 - 1997年3月 学習院大学法学部長
1998年4月 - 学習院常務理事
2004年4月 - 2008年3月 学習院大学大学院法務研究科教授
2008年4月 - 2014年3月 学習院大学法学部教授
2014年4月 - 虎ノ門南法律事務所客員弁護士

社会的活動

野村氏は、教育活動に加え、多くの社会的活動にも積極的に関わっています。特に、以下の分野で重要な役割を果たしています。

エネルギー法: 日本エネルギー法研究所の理事、後に所長として、エネルギー法政策の発展に貢献しました。
著作権法: 文化審議会委員や著作権分科会長、著作権法学会会長などを歴任し、知的財産権の保護・発展に尽力しました。
情報法: 法とコンピュータ学会理事長、ソフトウェア情報センター理事長として、情報技術と法制度の調和を推進しました。
家族法: 日本〈家族と法〉学会理事長として、家族関係に関する法律問題に取り組んでいます。

また、法制審議会委員、原子力損害賠償紛争審査会委員、内閣府国民生活センターの在り方等に関する検討会座長など、多岐にわたる分野で委員や座長を務め、政策決定にも深く関与しています。

その他、日本私法学会理事、比較法学会理事、環境法学会理事、日仏法学会理事、国際著作権法学会（ALAI）日本支部理事、国際原子力法学会（INLA）理事など、国内外の様々な学会で要職を務めています。

受賞歴

2021年12月：文化庁長官表彰
2022年4月：瑞宝中綬章受章

研究・著作

野村氏の研究は、民法の中でも特に契約法や物権法に焦点を当てています。博士論文「意思表示の錯誤 : フランス法を参考にした要件論」は、フランス法を参考にしながら錯誤に関する要件論を展開したもので、その後の研究活動の基礎となりました。

主な著作には、以下のようなものがあります。

『不動産法大系　第3巻』(共著)
『民法Ⅱ物権』
『民法Ⅰ序論・民法総則〔第2版補訂〕』
* 『民法 2；Droit civil』(第2版)

これらの著書は、法学の研究者や学生にとって重要な参考資料となっており、野村氏の卓越した研究業績を示すものです。

まとめ

野村豊弘は、日本の法学界において、民法研究の第一人者として広く知られています。教育者、研究者、そして社会活動家として、多方面で顕著な業績を残しており、その功績は法曹界や社会において高く評価されています。

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