野次馬がいく

野次馬がいく

『野次馬がいく』（やじうまがいく）は、1967年10月5日から1968年3月28日まで、NETテレビ（現在のテレビ朝日）系列で毎週木曜日の夜8時から8時56分にわたって放送された、全26話構成の連続テレビ時代劇作品です。

作品概要

本作は、広さん、公さん、そして紅一点のお栄という、個性も経歴も異なる三人組が、様々な土地を旅する中で巻き込まれる事件や人々との出会いを描く道中物時代劇として企画されました。彼らが旅先で遭遇するトラブルや人情話、時には愉快な騒動などを通じて、当時の日本の風景や人々の暮らしが描き出されました。決まった目的地があるわけではなく、野次馬のように気ままな旅を続ける彼らの道中が、物語の主な展開となります。

キャスト

物語の中心となる三人組を演じたのは、当時の時代劇や現代劇で活躍していた人気俳優たちです。

広さん：松方弘樹
三人組の一人である広さんを演じたのは、この作品の主題歌も担当した松方弘樹です。彼の若々しく活発な演技が、広さんのキャラクターに息吹を与えました。
公さん：里見浩太郎
広さんと旅を共にする公さん役には、時代劇スターとして確固たる地位を築いていた里見浩太郎が配されました。松方弘樹との息の合ったコンビネーションが見どころの一つとなりました。
お栄：浅野順子
三人目のメンバーであり、旅に華を添えるお栄を演じたのは浅野順子です。男性二人の中に加わる女性として、物語に多様な視点や情感をもたらしました。

この三人組が織りなす軽妙なやり取りや、旅先でのチームワークが、作品の大きな魅力となっています。

スタッフ

本作の制作には、NETテレビと東映京都テレビプロダクションが共同で携わりました。多くの専門スタッフが作品の質を高めるために尽力しています。

企画：落合兼武（NET）、渡辺洋一（東映）、高田正雄（東映）
番組の方向性を決定する企画段階には、NETテレビ側から落合兼武、東映からは渡辺洋一と高田正雄が参加しました。
脚本・監督：
各話の物語を紡ぐ脚本家や、演出を手掛ける監督については、エピソードごとに異なります。詳細な担当者は放映リストなどの資料で確認することができます。
音楽：市川昭介
作品を彩る劇伴音楽は、多くのテレビドラマや映画音楽を手掛けた市川昭介が担当しました。作品の雰囲気や場面に合わせて、様々な楽曲を提供しています。
撮影：木村誠司、脇武夫、玉木照芳、羽田辰治、森常次
主に東映京都テレビプロダクションの撮影チームが担当しました。当時の時代劇撮影における技術が用いられています。
照明：谷川忠雄、藤井光春、松井薫、佐々木政一、岡田耕二
撮影と同様に、東映京都の照明チームが映像表現を支えました。

主題歌

『野次馬がいく』の主題歌は、番組と同名の楽曲が使用されました。

楽曲名：「野次馬がいく」
作詞：関沢新一
作曲・編曲：市川昭介
唄：松方弘樹

作詞を関沢新一、作曲・編曲を劇伴音楽も担当した市川昭介が手掛け、主演の松方弘樹自身が力強く歌い上げました。この主題歌は日本コロムビアからレコードとしてもリリースされています。

制作体制

本作は、NETテレビと東映京都テレビプロダクションの共同制作体制で生まれました。時代劇制作に定評のある東映京都が実際の制作を担い、その技術力と経験が作品の完成度に大きく貢献しています。

放送枠

本作が放送された木曜夜8時台は、当時NETテレビにおいて時代劇が放送されることの多い時間帯の一つでした。全26話という話数は、当時の連続テレビドラマとしては標準的なクール（約半年間）の放送期間に相当します。

『野次馬がいく』は、松方弘樹と里見浩太郎という二枚目俳優を軸に、浅野順子を加えた魅力的な三人組の旅を描くことで、当時の視聴者に娯楽を提供しました。痛快な道中物として、彼らが各地で巻き起こす騒動や出会いが描かれ、半年間にわたって茶の間を楽しませた作品と言えるでしょう。

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