野渡貝塚

野渡貝塚 (のわたかいづか)

野渡貝塚は、栃木県下都賀郡野木町野渡に位置する縄文時代の貝塚です。思川左岸、渡良瀬遊水地の東側に位置し、野木町の指定史跡となっています。

概要

1939年（昭和14年）に考古学者の寺内武夫によって発掘調査が行われ、翌年1月に東京考古学会でその成果が発表されました。

貝塚は思川によって形成された河岸段丘上に位置し、標高は約20～21メートルです。縄文時代には、縄文海進と呼ばれる海面の上昇現象により、現在の古河市付近まで東京湾が入り込んでいました（古東京湾）。満潮時には貝塚のすぐ近くまで海水が到達していたと考えられ、このような内陸部に貝塚が形成された要因となっています。

貝塚は7地点からなる地点貝塚で、貝層は場所によっては20～30センチメートルの厚さで堆積しています。出土する貝の種類は、ヤマトシジミなどの淡水性の貝が中心ですが、わずかにカキやハイガイなどの海水性の貝も見られます。土器は、縄文時代前期の黒浜式土器が出土しています。

発掘調査

寺内武夫による発掘調査で、貝層の構造や出土遺物に関する詳細な情報が得られました。特に、貝の種類や土器の型式から、当時の環境や人々の生活様式を考察する上で重要な資料となっています。

現状

現在は畑地が中心となっており、野木町が設置した説明板が設置されています。説明板には、貝塚の概要や歴史的背景が解説されており、訪れる人に当時の様子を伝えています。

まとめ

野渡貝塚は、縄文時代の環境変動や人々の生活を知る上で貴重な遺跡です。内陸部に位置するにも関わらず、海水性の貝が出土することから、当時の海面が現在よりもかなり内陸まで進入していたことがわかります。また、出土する土器や石器などの遺物から、当時の人々の生活様式や文化を知ることができます。

今後の調査研究によって、野渡貝塚からさらに多くの情報が得られることが期待されます。

関連情報

所在地: 栃木県下都賀郡野木町野渡
指定: 野木町指定史跡

関連項目

篠山貝塚
縄文時代の遺跡一覧
日本の貝塚一覧

外部リンク

歴史探訪 - 野木町公式ウェブサイト

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