野球イラン代表

野球イラン代表

イラン・イスラム共和国を代表する野球ナショナルチームが、野球イラン代表です。国内での野球普及と発展を目指して活動しています。

組織の設立と歩み

イランにおける野球の組織的な取り組みは、1992年に「イラン野球委員会」が設立されたことに始まります。これは国内における野球の基盤を作るための第一歩でした。設立された組織は、翌1993年には「イラン野球連盟」へと改組・改称され、国内野球を統括する正式な機関として、競技の振興に本格的に取り組むことになります。

国際大会での経験

国内体制が整うにつれて、イラン代表は国際舞台での経験を積み重ねていきました。

アジアン・カップへの参加

初めての国際大会参加は、1999年のアジアン・カップでした。アジアの野球レベルを知り、自国の実力を試す機会となりました。

特に大きな経験となったのは、2006年のアジアン・カップです。この大会は北京オリンピックの予選も兼ねており、よりレベルの高いチームが集結しました。当時のイラン代表は国際経験が不足しており、結果的に全試合で二桁失点を喫し、大会最下位となりました。しかし、この大会で優勝した強豪パキスタン代表との対戦では、15対17という点の取り合いとなり、敗れはしたものの、攻撃面でのポテンシャルを見せつけ、健闘ぶりが注目されました。

西アジアン・カップでの躍進

その後、イラン代表は西アジア地域に焦点を当てた西アジアン・カップに積極的に参加するようになります。これは、地域内の実力向上とチーム間交流を目的とした大会であり、イラン代表にとっては国際経験を積む上で重要な舞台となりました。

初参加となった2012年の大会では、3位という成績を収め、地域の有力チームとしての地位を確立しました。そして、2015年の同大会では、これまでの経験が実を結び、大きな躍進を見せます。インド代表やイラク代表といったチームに勝利するなど快進撃を続け、決勝まで駒を進め、見事準優勝を果たしました。これは、イラン野球史上でも特筆すべき成績であり、国内における野球の注目度向上にも貢献しました。

しかし、続く2019年の大会では、再び4位という結果に終わりました。それでも、西アジアン・カップへの継続的な参加は、イラン代表チームの強化と選手の育成に不可欠な経験となっています。

主要国際大会への目標

野球イラン代表は、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）、オリンピック、WBSCプレミア12など、世界野球ソフトボール連盟（WBSC）公認の主要国際大会への参加資格を持つナショナルチームです。これらの世界のトップレベルが集まる舞台での活躍は、イラン野球界全体の長期的な目標となっています。

関連する人物

野球イラン代表に関連する人物として、MLBで活躍する日本人投手ダルビッシュ有氏の名前が挙げられます。彼はかつて日本とイランの二重国籍を有しており、理論上はイラン代表として国際大会に出場する可能性がありました。特にWBCにおいては、その規定により、イラン代表としてプレーすることも可能な状況でした。

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