野田敬生

野田敬生：公安調査庁の内部告発者から農業家へ

野田敬生（のだ ひろなり）は、1970年5月生まれの元公安調査官、ジャーナリストです。彼は、国家公務員I種試験に合格後、東京大学を中退して公安調査庁に入庁しました。公安調査庁在籍中には、革マル派や宮崎学に対する獲得工作を担当し、アメリカ中央情報局（CIA）での情報分析研修も経験しています。しかし、1998年に女性キャリアへの暴力事件を起こし、依願退職しました。

退職後、野田氏は「吉見太郎」や「半田雄一郎」のペンネームで、公安調査庁の内部告発記事を執筆するジャーナリストとして活動を開始します。公安調査庁による監視や、ストーカー行為、逮捕などの出来事を経て、彼は公安調査庁の不正を追求する姿勢を強めていきました。

公安調査庁との対立

野田氏は、公安調査庁の内部情報を『噂の眞相』などのメディアに提供し、同庁の秘密主義を批判しました。また、『お笑い公安調査庁』や『溶解する公安調査庁』などの著書を出版し、公安調査庁の実態を暴露しました。公安調査官名簿の流出事件に関与した疑いも指摘されています。

公安調査庁は、野田氏を監視し、自宅を24時間体制で監視したり、暗視カメラを設置しました。野田氏は、この監視活動に対して国家賠償請求訴訟を起こし、一部勝訴しています。また、公安調査庁のアレフ（旧オウム真理教）施設への立入検査を事前に撮影したことで、公安調査庁との対立を深め、逮捕される事件も起こりました。

ジャーナリストとしての活動

野田氏は、公安調査庁批判にとどまらず、武富士盗聴問題など、様々な社会問題に関する記事を執筆しました。彼は、公安調査庁の内部情報や、自身の体験をもとにした記事で注目を集めました。また、寺澤有や山岡俊介などのジャーナリストとも親交があり、メールマガジンサイバッチとも関係がありました。また、前衛的革命家の外山恒一とも交流がありました。

農業への転身

2009年、野田氏は全てのウェブサイトを削除し、農業に転身することを発表しました。ジャーナリストとしての活動を終え、新たな人生を歩むことを決意したようです。この転身は、彼の過去の活動とは対照的であり、多くの人々を驚かせました。

著書

野田氏は、以下の書籍を出版しています。

「お笑い公安調査庁」（「吉見太郎とその仲間」名義、1999年、現代書館）
「溶解する公安調査庁」（「半田雄一郎」名義、1999年、現代書館）
「CIAスパイ研修―ある公安調査官の体験記」（2000年、現代書館）
「東京三菱銀行 消えた「156億円」預金」（2005年、雷韻出版）
「諜報機関に騙されるな!」（2007年、筑摩書房）
「心理諜報戦」（2008年2月、筑摩書房）
「公安調査庁の深層」（2008年6月、ちくま文庫）

関連人物

寺澤有
山岡俊介
宮崎学
* 外山恒一

まとめ

野田敬生氏は、公安調査官からジャーナリスト、そして農業家へと、様々な顔を持つ人物です。彼の公安調査庁批判は、日本の情報機関のあり方に一石を投じました。また、ストーカー行為や暴力事件、逮捕歴などのスキャンダラスな側面も持ち合わせていました。彼の人生は、波乱に満ちており、多くの人々の関心を集めています。

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