寺澤有
寺澤有（てらさわ ゆう）
1967年2月9日生まれの日本のジャーナリスト。中央大学法学部在学中からフリーランスとして活動を開始し、一貫して組織の腐敗を追及する姿勢を貫いている。特に警察、検察、裁判所、会計検査院といった、いわゆる「聖域」と見なされがちな組織の不正や問題点を厳しく批判し、その実態を明らかにする活動を続けている。また、製造物責任法（PL法）に関する著作もあり、多岐にわたる社会問題に関心を寄せている。
活動内容
寺澤氏の活動は、警察不祥事に関する記事や著作が特に多い。警察官の天下りによるパチンコ業界との癒着を追及するなど、警察組織の内部構造に深く切り込む。また、映画『ポチの告白』では特別出演と原案協力・スーパーバイザーを務め、その活動は多岐にわたる。
ジャーナリストの山岡俊介氏や野田敬生氏とは、武富士の不祥事に関する取材を通じて親交を深め、2ちゃんねるに対しては、武富士関連のスレッドにおける発信者情報開示請求訴訟を共同で起こした。
2009年には、光市母子殺害事件の死刑囚の実名を記載した書籍を巡り、出版差し止めと損害賠償を求める訴訟を起こされたが、広島高裁は「出版による権利侵害は認められない」との判決を下した。
2011年には、福島第一原発事故に関連し、当時の園田康博内閣府大臣政務官に対し、「東京電力は（放射能汚染水は）口に入れても大丈夫と答弁しているが、汚染水をコップに入れて飲むつもりはあるか」と質問。結果、園田政務官は浄化した水を飲んだ。この一件は、政府や東京電力の対応を批判的に検証する象徴的な出来事として報道された。
2014年には、特定秘密保護法に対して違憲確認と施行差し止めを求める訴訟を呼びかけ、フリージャーナリストらと共に提訴。国境なき記者団が発表した「世界の情報ヒーロー100人」に、日本人として唯一選出された。その理由は、長年にわたる警察腐敗の追及、記者クラブ批判、秘密保護法への反対運動などが評価されたためである。
近年では、noteなどの電子書籍プラットフォームを通じて、積極的に情報発信を行っている。
武富士との訴訟
2003年、「週刊プレイボーイ」に掲載された記事に対して、武富士から名誉毀損で複数訴訟を起こされた。しかし、武富士によるジャーナリスト宅盗聴事件が発覚。寺澤氏が和解を拒否したため、2004年2月に訴訟は放棄された。その後、寺澤氏は武富士によるスラップ訴訟を違法だと訴え、2007年に勝訴。武富士側に1000万円の支払いが命じられた。この裁判を通して、当時武富士の代理人を務めていた吉村洋文氏に対しては批判的な態度を取っている。
著作
寺澤氏は数多くの著作を発表している。主な著書として、『警察がインターネットを制圧する日』、『PL法があなたを守る欠陥商品のトラブル解決法』、『警察庁出入り禁止』、『報道されない警察とマスコミの腐敗 映画『ポチの告白』が暴いたもの』、『本当にワルイのは警察 〜国家権力の知られざる裏の顔〜』などがある。これらの著作では、警察組織の内部構造や腐敗の実態、PL法の重要性など、社会問題に対する深い洞察が示されている。
関連事項
寺澤氏の活動に関連するキーワードとして、週刊文春、公安警察、警視庁、警察庁、極右、右翼、極左、左翼、記者クラブ、共謀罪、鳥越俊太郎、自動速度違反取締装置（オービス）、盗聴などが挙げられる。これらのキーワードは、寺澤氏の活動が多岐にわたる社会問題と深く結びついていることを示している。
外部リンク
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