野田澤彩乃

野田澤 彩乃

野田澤 彩乃（のださわ あやの、1984年1月25日生）は、日本の将棋界で活動した元女流棋士である。埼玉県川越市に生まれ、二松學舎大学を卒業。将棋の道を志し、伊藤果八段に師事した。日本将棋連盟に所属し、女流棋士番号は24（以前は旧番号47）であった。その棋士人生は、育成会での研鑽を経てプロ入りし、公式戦の舞台で経験を積み、引退後も将棋界に貢献するという道のりであった。

将棋との関わりは、女流育成会への入会から始まる。1997年10月、育成会に入会し、プロの女流棋士を目指して奨励会と同様に厳しい競争の中で実力を磨いた。そして、規定の成績を収めたことが評価され、1999年10月1日付で女流2級として、晴れてプロの門を叩いた。これは、1999年度前期の育成会で1位という実績によるものである。女流棋士として公式戦への出場を重ねる中で、自身の棋力向上に努めた。

昇級の機会は、年度成績によって訪れる。2002年度には公式戦で8勝6敗という成績を収めた。これは、当時の女流棋士昇級昇段規定において、女流2級が女流1級へ昇級するために必要とされた「年度成績指し分け以上（7勝以上）」という条件を満たすものであった。この実績が認められ、翌2003年4月1日付で女流1級への昇級を果たした。女流棋士としてのキャリアにおける重要な節目となった。

女流棋士としての現役期間は、プロ入りした1999年から2020年までの約20年間に及んだ。この間の通算成績は、公式戦189局を指し、56勝133敗であった。勝率は.296という記録を残している。これは、プロの世界の厳しさを示す数字であると同時に、多くの対局を経験したことの証でもある。

現役生活には、2020年3月31日をもって終止符が打たれた。これは、当時の女流棋士引退規定に則ったものである。しかし、野田澤女流棋士は現役を退いた後も、将棋界との関わりを断つことはなかった。特に注目されるのは、引退直後の出来事である。2020年4月1日付で、引退女流棋士昇段規定により、女流初段へと昇段した。これは、現役時代の功績や勤続年数などが考慮される規定によるものである。

引退後も、将棋の公式戦の現場で活躍を続けている。特に、対局を見守り、棋譜を記録する「記録係」として度々その姿が見られる。記録係は、対局のスムーズな進行に不可欠な役割であり、引退棋士が務めることも多い。また、近年普及が進むインターネット配信される対局番組にも出演している。ABEMAなどで放送される将棋番組に登場し、解説の聞き手や進行補佐などを務めることで、将棋ファンに親しまれている。これらの活動は、彼女がプロ棋士として培った知識と経験を、別の形で将棋界に還元しようとする姿勢の表れと言えよう。

野田澤 彩乃は、女流棋士として現役を全うし、引退後も多方面から将棋界を支え続けている。その棋歴は、女流育成会から始まり、プロとして公式戦を戦い、引退後もなお将棋に情熱を傾ける、一人の棋士の歩みを示している。

関連情報として、野田澤彩乃に関する最新の情報は、日本将棋連盟の公式サイトに掲載されている公式プロフィールや、本人による公式ブログ、そしてX（旧Twitter）アカウントなどを通じて得ることができる。

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