野田義夫

野田義夫：日本の教育界を支えた教育者

野田義夫（のだ よしお）は、1874年（明治7年）7月15日に福岡県八女郡下広川村（現在の広川町）で生まれ、1950年（昭和25年）11月1日に生涯を終えた、日本の教育者、教育学者です。

学歴と初期のキャリア

1899年（明治32年）、野田は東京帝国大学文科大学哲学科を卒業し、さらに大学院で研究を深めました。1900年（明治33年）には文部省に入り、教育行政に携わる傍ら、広島高等師範学校教授、奈良女子高等師範学校教授を歴任しました。その後、文部省督学官、大阪高等学校校長も務め、その間、1924年（大正13年）には文学博士号を取得しています。

教育者としての貢献

退官後も、野田は教育への情熱を失わず、大阪高等女子職業学校（現在の英真学園高等学校）教授・名誉校長、羽衣高等女学校（現在の羽衣学園中学校・高等学校）校長を経て、1936年（昭和11年）からは親和高等女学校（親和中学校・親和女子高等学校）の校長として、女子教育の発展に尽力しました。また、関西学院大学法文学部講師としても教鞭を執り、幅広い分野で教育に貢献しました。

教育思想と著作活動

野田は教育者としてだけでなく、教育思想の研究者としても知られています。彼の著作は、当時の教育界に大きな影響を与えました。

主な著書には、

『続倫理学書解説 パウルゼン氏社会倫理』（1902年）
『明治教育史』（1907年）
『近世教育史綱』（1908年）
『欧米列強 国民性の訓練』（1913年）
『日本国民性の研究』（1914年）
『教育学概論』（1915年）
『新時代の徳育』（1921年）
『現代教育概観』（1929年）
『丁抹国民高等学校の研究』（1929年）
『文化教育学原論』（1930年）
『修身及公民教育原論』（1932年）
『労作教育原論』（1932年）
* 『日本教育の検討』（1938年）

などがあり、教育史、国民性、教育学原理など、多岐にわたるテーマで研究を展開しました。

親族と関連人物

野田の義兄には、万里銀行頭取を務めた高井利平がいます。また、野田の教育思想は、大日本学術協会編修の『日本現代教育学大系』にも収録されており、その影響力の大きさを物語っています。

まとめ

野田義夫は、教育者として、また教育研究者として、日本の教育界の発展に大きく貢献しました。彼の著作は、今日でも教育を考える上で貴重な資料となっており、その功績は決して忘れられることはありません。

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