野見山ひふみ

野見山ひふみの生涯と俳句

野見山ひふみ（のみにやま ひふみ）は、1924年8月28日に福岡県に生まれました。彼の本名はヒフミであり、旧姓は末崎です。稲築村、現在の嘉麻市で育った彼は、後に福岡県立保健婦学校、現在の福岡県立大学看護学部を卒業します。彼の実生活において、健康や福祉に関する知識を持ちながらも、彼の心の中には詩的な情熱が眠っていました。

1946年には、文人であり俳人でもある野見山朱鳥（のみにやま あけとり）と結婚。この出会いが、ひふみの俳句人生の大きなきっかけとなります。1947年、朱鳥の指導のもと、自らも俳句の世界に飛び込むこととなり、有名な俳句雑誌「ホトトギス」に自らの作品を持ち寄りました。高浜虚子に師事したことで、彼の俳句に対する技術や視点はより深まっていきます。

1952年、朱鳥が主宰する俳句雑誌「菜殻火」が創刊される際、ひふみはその発行の事務を担当しました。この期間中には多くの俳人たちと交流し、影響を受けながら自身のスタイルを確立していきます。彼の活動は俳句界にとどまらず、さまざまな文芸イベントに出演し、広く作品を発表しました。

1970年、野見山朱鳥が亡くなると、その遺言に基づき「菜殻火」の主宰の地位を引き継ぎました。これにより、彼は夫である朱鳥の意思を継ぎ、自己の俳句作品だけでなく、後進の育成にも力を注いでいきます。俳句の魅力を広めるために、彼の活動は更に多様化し、地方の俳句イベントやワークショップなどにも定期的に参加しました。

彼の創作した句集には、『秋の暮』、『花文鏡』、『野に遊ぶ』があり、これらは彼の多様な感受性と独自の視点を映し出しています。また、編著として『野見山朱鳥全集』もあり、こちらでは彼の師である朱鳥の俳句作品を広く紹介する役割を果たしています。

彼の俳句は自然や日常に寄り添った深い情緒や美しさを備えており、多くの人々に愛されています。現在もなお、彼が残した作品は新しい読者を魅了し続けています。

文献としては、『現代俳句大事典』（三省堂、2005年）などが挙げられ、彼の業績を知るための貴重な資料となっています。なお、インターネットには「増殖する俳句歳時記」というサイト上で、彼の句に関するさまざまな情報が掲載されているため、興味を持たれた方はぜひ一度覗いてみてください。

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