金光薬品

金光薬品株式会社：地域に根ざした薬局チェーンの歴史

金光薬品株式会社は、岡山県南部を中心にドラッグストア『金光薬品』と調剤薬局『金光調剤』を展開していた企業です。愛らしい3匹の親子亀『あゆたん』をシンボルマークとして、地域住民に親しまれていました。

1934年、倉敷市で金光薬局として創業。1949年には株式会社として設立され、岡山駅前に本社と店舗を構えました。その後、多店舗展開を進め、1987年にはロードサイド型店舗の1号店である東岡山店をオープン。1998年には調剤薬局を併設したドラッグストア型の店舗も展開するなど、時代のニーズに対応した変化を遂げてきました。

2009年には、関西地区を拠点とする大手企業セガミメディクス（現ココカラファインヘルスケア）と業務提携を結び、事業拡大を目指しました。2013年には、自社運営のポイントカードからTポイント（Tカード）へと移行し、顧客利便性の向上に努めています。

しかし、2019年6月3日、金光薬品株式会社はウエルシアホールディングスの子会社となり、ウエルシアグループの一員となりました。これは、更なる発展と経営基盤の強化を図るための戦略的判断でした。

その後、ウエルシアグループの再編に伴い、2022年6月1日付でウエルシア薬局に吸収合併され、金光薬品株式会社は解散しました。長年にわたり地域医療と健康に貢献してきた歴史に幕を閉じました。

金光薬品は、倉敷エリアを中心に15店舗（うち処方箋受付店12店舗）、岡山エリアに8店舗（うち処方箋受付店4店舗）、瀬戸内エリアに2店舗（全店舗処方箋受付店）、浅口エリアに2店舗（うち処方箋受付店1店舗）、玉野エリアに1店舗（処方箋受付店なし）と、計28店舗（うち処方箋受付店19店舗）を展開していました（2021年6月時点）。倉敷エリアでは地域一番店となるなどドミナント戦略をとっていましたが、岡山エリアでは競合他社との競争が激しく、厳しい状況にありました。

なお、岡山県浅口市金光町に本部を置く金光教と社名は同じ漢字表記ですが、両者には何ら関係ありません。読み方も、金光薬品は「カナミツ」、金光教と地名は「コンコウ」と異なります。

金光薬品株式会社は、地域に密着した薬局チェーンとして長く愛されてきましたが、時代の流れの中でその歴史に幕を閉じました。しかし、その歴史と実績は、地域医療の発展に貢献した重要な足跡として記憶されるでしょう。あゆたん親子亀の愛らしい姿は、多くの地域住民の記憶に刻み込まれていることでしょう。

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