金剛丸 (特設巡洋艦)

金剛丸についての詳細

金剛丸（こんごうまる）は、国際汽船が運航していた貨物船で、太平洋戦争中に特設巡洋艦として活躍しましたが、早い段階で戦没してしまいました。この船の歴史を辿ると、当時の日本の造船技術や商業戦略、さらに戦争の激しさを学ぶことができます。

概要

金剛丸は1919年に設立された国際汽船の一部で、同社は川崎造船所を中心に遠洋航路を運営するために創立されました。1921年に川崎汽船と共同運航を開始し、Kラインの基礎が築かれました。しかし、経済的不況により経営は厳しくなり、1927年には銀行の管理下に入ります。以後、 Verbesserungsmaßnahmen（改善措置）を行い、船隊の質を向上させることに成功しました。

金剛丸は播磨造船所で建造され、1935年に竣工しました。通常の貨物船でありながら、一等客室を備えていたことが特徴です。第一次船舶改善助成施設の支援を受けながら建造されたこの船は、その後日本郵船に委託され、ニューヨーク航路での運航を開始しました。特筆すべきは、太平洋横断での9日と10時間という速さを記録したことです。

軍艦としての歴史

1941年、金剛丸は日本海軍に徴用され、特設巡洋艦として再編成されます。同年9月に艤装工事が実施され、その後第四艦隊に配属されました。

彼女は、同じく特設巡洋艦である金龍丸と共に、舞鶴第一特別陸戦隊をトラック諸島へ輸送しました。12月にはウェーク島への攻撃作戦において大きな役割を果たします。しかし、砲台からの猛烈な反撃を受け、金剛丸は損傷を受けてしまいます。結果的にこの作戦は中止され、艦隊は退却を余儀なくされました。

月末に入ると、金剛丸は再びラバウル攻略作戦への参加が決定されます。新たな任務に向けて出港し、成功を収めたのち、再度の出港を繰り返しながら戦線に投入され続けました。

最期

1942年3月10日、金剛丸はアメリカ海軍の奇襲を受けます。ラエとサラモアへの攻撃作戦において、2発の爆弾が船体に直撃し、火災を引き起こしました。不幸にも、金剛丸はその後沈没し、戦艦としての歴史に幕を閉じます。

金剛丸での艦長は水崎正次郎で、1941年から1942年までその任にあたっていました。彼の指揮のもと、金剛丸は様々な戦闘作戦に関わり、極限の状況を耐え抜きました。しかし、戦局の変化に伴い、彼女の運命もまた変わっていきました。

艦の撤収は1942年4月1日付けで行われ、金剛丸はその名と共に歴史の一部として残ることとなるのです。金剛丸の運航は当時の日本における軍事や商業の結びつきを象徴するものであり、今も多くの人々に記憶されています。

もう一度検索