金剛組

株式会社金剛組：世界最古の建設会社、その歴史と現在

株式会社金剛組は、大阪府大阪市天王寺区に本社を置く建設会社です。飛鳥時代の578年、聖徳太子が四天王寺建立のために百済から招いた宮大工、金剛重光によって創業されました。実に1400年以上の歴史を持つ、世界最古の企業として知られています。

神社仏閣建築の伝統

金剛組は、長年にわたり神社仏閣建築の設計・施工を中心に事業を展開してきました。城郭や文化財建造物の復元・修理なども手がけ、伝統的な建築技術を今日に伝えています。四天王寺の建立に用いられた「組み上げ工法」は、現代の金剛組にも受け継がれています。

しかし、近年では神社仏閣のコンクリート建築が増加し、大手ゼネコンとの価格競争に巻き込まれるなど、経営環境は厳しさを増しました。売上減少や資金繰りの悪化により、経営危機に陥った金剛組は、2005年に髙松建設（現・髙松コンストラクショングループ）の支援を受けることになります。

経営再建と伝統の継承

2005年11月、金剛組は髙松建設が設立した新会社に事業を譲渡し、従業員の多くも新会社へ転籍しました。旧会社は不動産部門のみを残し、株式会社ケージー建設に商号を変更。長きにわたる金剛家による同族経営は、事実上幕を閉じることとなりました。

その後、ケージー建設は自己破産しましたが、新・金剛組は本業である宮大工に立ち戻り、伝統技術の継承に力を注いでいます。現在では100人以上の宮大工を抱え、日本の貴重な文化遺産の保護・修復に貢献しています。

近年の取り組み

金剛組は、四天王寺をはじめとする数々の著名な寺社建築に携わってきました。近年では、身延山久遠寺五重塔の再建工事や、偕楽園の好文亭の復元工事などを手がけています。また、海洋堂の大魔神像の社殿など、新たな分野への挑戦も行っています。

2008年には、山車・だんじり・神輿の新調・修理を専門とする子会社「金剛組エンジニアリング」を設立。伝統技術を活かしながら、地域文化の振興にも貢献しています。

2013年には、39代目金剛利隆が後継者不在のまま死去。2014年には、宮大工たちが1年の安全を祈る神事「手斧始め」が、史上初めて当主不在のまま行われました。現在も「手斧始め」の伝統を受け継ぐ建設企業は、金剛組と清水建設のみとなっています。

金剛組は、1400年以上の歴史の中で、幾多の困難を乗り越え、日本の建築文化を支え続けてきました。その伝統と技術は、これからも未来へと受け継がれていくことでしょう。

事業所

本社所在地 - 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1丁目14番29号
東京本店 - 東京都中央区銀座7丁目12番7号
京都支店 - 京都府京都市下京区烏丸通高辻上ル大政所町685 京都四条烏丸ビル
名古屋支店 - 愛知県一宮市城崎通7丁目4番地の3

もう一度検索