金大堅

金大堅-『水滸伝』の彫刻師

金大堅（きん たいけん）は、中国の古典小説『水滸伝』における重要なキャラクターであり、梁山泊での彼の役割は非常に興味深いものがあります。彼は梁山泊の第六十六位の好漢であり、その渾名は「玉臂匠」です。この名は、彼が玉や石を巧みに彫刻する技術を持ったことから来ています。

生い立ちと職業

金大堅は、済州の住人として生まれました。彼は碑へ文字を彫ることや印鑑を作成すること、さらには宝石への彫刻を生業にしていました。この腕前は高く評価され、「中原一」とも称されるほどの腕を持っていました。彼の彫刻技術はその地域では非常に評価され、多くの依頼がありました。ある日、彼は能筆家の蕭譲と共に、泰山の道士からの依頼を受けることになります。この依頼は碑文の作成に関するものでしたが、運命は彼らを梁山泊へと導く結果となります。

梁山泊との出会い

道士に依頼されて泰山へ向かう途中、金大堅と蕭譲は梁山泊の山賊に誘拐されてしまいます。実際の道士の正体は江州の牢役人である戴宗であり、彼は梁山泊の首領である宋江が無実の罪で処刑されそうになっていることを知っていました。この状況を打破するため、梁山泊の軍師呉用は、宋江を救出する計画を立てる中で、彼らを誘拐したのです。金大堅は家族も一緒に梁山泊に連れてこられ、仕方なく組織に協力することになりました。

梁山泊での活動

金大堅は、組織に参加してからは首領が発行する印鑑や手形の作成、発行、管理を担当する重要な役割を担っていきます。工房で彼の芸術的な才能が存分に発揮され、梁山泊の内部での業務を支える裏方として多くの信頼を集めます。さらには、戦争が激化する中、彼は官軍としても活躍し、戦勝を記念する石碑の作成を手がけました。

魅力的な人間性と冒険

王慶との戦いで金大堅は、蕭譲や裴宣とともに捕虜になるという試練を受けます。この時、敵の捕虜が降伏を勧める中で、彼は勇気を持ってその提案を激しく拒否し、拷問をも耐え抜く強い意志を示しました。このエピソードは、彼の気骨と忠誠心を示すものとして、多くの読者に感銘を与えるでしょう。

宮廷との関わり

王慶との戦いが終了し、金大堅は都に凱旋します。その際、彼の腕前は天子に評価され、皇甫端と共に宮廷に召し上げられます。これにより、彼は正式に宮廷の印綬製作を任される官職に就き、この役割を通じて生涯を全うします。彼は梁山泊を離れ、そこで新たな人生の章を開くこととなります。彼の最期は、実に彼らしい豪壮なものであったといえるでしょう。金大堅の人生は、彼の技術や忠誠心を通じて、古典文学に名を刻むことになりました。

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