金子恵以子

金子 恵以子（かねこ えいこ）

金子恵以子は、日本のフィギュアスケート界において特にアイスダンス部門で顕著な業績を残した元選手です。1942年に東京で生まれ、幼少期から様々な舞台芸術に触れる中で、彼女の才能は早くから開花しました。5歳からはタップダンスを学び、その後も東宝のショーでのパフォーマンスを行いながら、スケートの道へと進むことになります。

彼女がスケートを始めたのは小学2年生の時で、10歳の時には有名な指導者である稲田悦子のもとで更なる技術を磨きました。1957年、全日本ジュニア選手権において女子シングルで優勝し、同時に竹内己喜男とアイスダンスのカップルを組むことになります。この年、二人は全日本選手権で見事に優勝し、初代全日本アイスダンスチャンピオンとなりました。

その後、金子は1964年までの間に全日本選手権で8連覇を達成しました。さらに、シングル選手としても1961年の国民体育大会で一般女子の部で2位に入るなど、幅広い競技での活躍を見せました。1962年には、世界フィギュアスケート選手権に日本人として初めてアイスダンス部門に出場し、17位を記録しました。

日本体育大学を卒業後、金子はフィギュアスケートの選手としては引退し、コーチとしての活動を開始しました。彼女は後楽園アイスパレスでコーチを務め、2001年からはシチズンアイススケートリンクにおいて主任コーチインストラクターとして活躍しました。アイスダンスの国内普及に努める中で、金子は日本初のアイスダンスコーチとして多くの選手を指導しました。特に、城田憲子を中心に、次世代の選手たちを育て上げる役割を果たしました。

また、金子は単に指導者としてだけでなく、新たな技術の開発にも力を注ぎました。彼女は「アイスフォークダンス」と名付けた、氷上で滑走しながら踊るスタイルを創案し、これまでのフィギュアスケートに新たな風を吹き込みました。さらに、金子はスペシャルオリンピックスのフィギュアスケート日本代表チームのコーチとしても活躍し、さまざまな人々にスケートの楽しさを伝えてきました。

金子の多岐にわたる活動は、フィギュアスケートの発展に寄与し、彼女の情熱と献身は多くの後進の選手たちに大きな影響を与えています。彼女の著作としては、1968年に発表された『図解スケートの教室』があり、これもまた彼女の教えを広める一助となっています。金子恵以子の功績は、今もなお日本のフィギュアスケート界に生き続けています。

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