金富謙

金富謙（キム・ブギョム）について

金富謙（キム・ブギョム、김부겸、1958年1月21日 - ）は、韓国の政治家です。第47代国務総理や行政安全部長官を歴任しました。彼の政治キャリアは、民主化運動への参加から始まり、国会議員、閣僚、そして国務総理へと至る、波乱に富んだものでした。

生い立ちと学歴

1958年、慶尚北道尚州市で生まれた金富謙は、大邱小学校、大邱中学校、慶北高等学校を卒業後、ソウル大学校に進学しました。大学在学中には、反政府活動に関与したとして兵役中に除隊処分を受けましたが、その後、11年かけて政治学の学士号を取得しました。さらに、延世大学校行政大学院で行政修士号を取得しています。また、キリスト教徒でもあります。

政治活動

1980年代、金富謙は民主化運動に積極的に参加しました。1986年には民主統一民衆運動連合の幹事として活動し、政治の世界に足を踏み入れました。1988年にはハンギョレ民主党の結党に参加し、以降は民主党系の政党に所属しました。民主党では報道官や選挙対策委員会企画室長などを務め、政治家としてのキャリアを積みました。

2000年の第16代総選挙で、京畿道軍浦市選挙区から国会議員に初当選。その後、3期12年国会議員を務めました。2012年の第19代総選挙では選挙区を大邱広域市に移して出馬するも落選。2014年には大邱広域市長選にも立候補しましたが、当選には至りませんでした。しかし、2016年の第20代総選挙で国政に復帰し、2017年には文在寅政権で行政自治部長官に任命されました。行政自治部は行政安全部に再編され、初代長官として2019年まで務めました。その後、外交統一委員として活動しましたが、2020年の第21代総選挙では再び落選しました。2021年には国務総理に任命され、2022年まで務め、その後政界を引退しました。

人物像

金富謙は、民主化運動の時代に3度も投獄された経験を持つなど、その政治姿勢は非常に強固です。初当選時は保守政党に所属していましたが、その後進歩政党に移るなど、柔軟な側面も持ち合わせています。また、政治的立場が異なる人物とも良好な関係を築いており、第21代総選挙で敗れた朱豪英とは、30年以上の親交があります。

家族

金富謙の父親は予備役の空軍中領で、彼との年齢差はわずか19歳です。娘は女優のユン・セインで、その夫は実業家の崔昌根の息子です。また、妻の兄は経済史学者の李栄薫です。

エピソード

総理在任中の2022年3月には、新型コロナウイルスに感染しています。また、総理退任直前には、尹錫悦政権の初代国務総理として留任する案が検討されたとの報道もありましたが、尹錫悦側はこれを否定しています。

まとめ

金富謙は、韓国の現代政治史において重要な役割を果たした人物の一人です。民主化運動から政治の世界に入り、国会議員、閣僚、そして国務総理として、そのキャリアを積み重ねてきました。彼の政治活動は、韓国の政治史における重要な一章を構成しており、今後の動向も注目されています。

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