金封

金封：日本の贈答文化を彩る封筒

金封とは、冠婚葬祭など特別な場面で金銭を贈る際に用いられる封筒、あるいは折り紙のことです。祝儀袋、不祝儀袋、熨斗袋など、様々な呼び名があり、地域によっては「金封紙」と呼ばれることもあります。一般的には奉書紙や檀紙といった和紙を使用し、用途に応じて水引や熨斗が付けられます。その約7割が愛媛県、特に四国中央市で生産されているという事実からも、日本の伝統文化における重要な位置付けが分かります。

テレビ番組の賞金授与など、大規模なイベントでも大型の金封が使われることがあります。これらの場面では、金銭の授受という行為そのもの以上に、贈答における格式や、相手に送る気持ちの重みといった側面が強調されることになります。

金封の種類と特徴

金封には様々な種類があり、形状やサイズ、使用用途によって使い分けられます。主な種類を以下に紹介します。

1. 多当折（東京折）

小杉判の紙を長方形に折った外袋と、斜めに折った内袋からなる二重構造の金封です。用途に応じて様々な色の水引が掛けられ、フォーマルな場面に適しています。サイズは規格がなく、メーカーによって異なりますが、一般的には台付袱紗に収まるサイズで作られています。

2. 大阪折（斜め折・小杉折）

小杉判の紙を斜めに折った、一重構造の金封です。多当折と同様に、用途に合わせた水引が掛けられます。水引の無いものを「白折金封」と呼びます。サイズは多当折とほぼ同じです。

3. 白折

水引の付いていない、シンプルな斜め折りの金封です。一枚の紙を折っただけの正式なものと、内側が糊付けされた略式のものがあります。多当折や大阪折に比べて、ひとまわり小さいサイズが一般的です。

4. 印刷金封（熨斗袋）

水引や熨斗が印刷された、手軽な和封筒です。千円型、万円型、円型など様々なサイズがあり、千円型や万円型はかつての紙幣サイズを基準に作られていましたが、現在では多くのメーカーで一万円札が千円型にも収納できるようになっています。円型はポチ袋として知られ、少量の現金や硬貨を入れるのに便利です。

5. 大金封

大杉判の紙を用いた、多当折や大阪折よりもかなり大きい金封です。外袋と斜めに折った内袋からなり、台付袱紗には収まりません。贈答時には片木（白木の台）にのせ、袱紗を掛け、さらに風呂敷に包んで贈る、最もフォーマルな形式です。折り方の特徴から「ひだ折」とも呼ばれます。

金封と日本の伝統文化

金封は単なる封筒ではなく、日本の伝統的な贈答文化を象徴するアイテムです。水引の色や種類、熨斗の有無など、細かな部分にまで相手への配慮や、贈る側の気持ち、そして社会的な立場や関係性が表れています。金封を選ぶ際には、その用途や相手との関係性を十分に考慮することが大切です。

近年では、デザイン性の高い金封も増え、若い世代にも受け入れられるようになっています。しかし、その一方で、伝統的な作法やマナーを理解し、正しく使用することが求められます。金封を通して、日本の伝統文化に触れ、その奥深さを味わうことができるでしょう。

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祝儀
お年玉袋
* 袱紗

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