金屑川

金屑川について

金屑川（かなくずかわ）は、福岡県福岡市を流れる二級河川で、室見川に合流しその先で博多湾へと注ぎます。この川は、福岡市内を貫通し、地域に重要な水系を形成しています。

名前の由来

金屑川の旧称は屑川（くずかわ）であり、昔は潮井川とも呼ばれていました。歴史的には、室見川と並行して流れ、津屋敷や有田を経由した後、油山川（旧稲塚川）と合流し、最終的には室見川へとつながります。川の名は、地域の環境や人々の生活に密接に関連しており、川自体に歴史が息づいています。

沿革

1970年（昭和46年）には、金屑川を含む複数の河川に対して都市小河川改修事業がスタートしました。この取り組みは、地域の河川をより安全かつ美しいものにするために行われています。また、近年では「金屑川水辺の楽校プロジェクト」というワークショップも開催され、地域住民と訪問者が川の生態系を学び、体験する機会が提供されています。

特に、1973年（昭和48年）4月には福岡市の飛石町にポンプ場が設立され、川の管理がさらに強化されました。このポンプ場は金屑川の水流を維持し、周辺環境を守るための重要なインフラとなっています。

鯰神とその伝説

金屑川には、鯰神という興味深い伝説があります。福岡市地下鉄七隈線の賀茂駅近くに位置する賀茂橋の周辺には賀茂神社があります。1732年から1733年にかけて、享保の大飢饉が西日本を襲った際、氏子たちは神に災難の鎮静を祈願しました。すると、夢の中に鯰が現れ、「金屑川を清めること」を教えたというのです。このお告げに従い、川が浄化されると飢饉は収まったとされています。この伝説がきっかけで賀茂神社では毎年9月15日に「賀茂神社の千灯明」という行事が催されます。この行事では、菜種油を入れた小皿を並べて無病息災を願う祈りが捧げられています。

主な橋

金屑川には多くの橋があります。水の流れと共に地域を結んでいるこれらの橋は、地域の交通の要所であるだけでなく、歴史的な役割も果たしています。主な橋には、百道橋（人道橋や水道管橋としても利用されています）、飛石橋、庄橋、涼橋、金門橋、潮見橋、徳摩橋、桜花橋などがあり、これらは川の上下流を繋ぐ重要な構造物です。また、大原橋には金屑川のライブカメラが設置され、地域の風景を楽しむことができます。

これらの橋は単なる移動手段としてだけでなく、地域の人々の生活や文化を支える重要な役割を果たしています。

金屑川はその景観や文化的背景を持つ特別な存在であり、地域の人々に愛され続ける川として、今後もその価値を保ち続けることが期待されます。

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