金山寺 (各務原市)

金山寺は、岐阜県各務原市各務西町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。その歴史は古く、元々は金山庵と呼ばれていました。1635年（寛永12年）に愚堂東寔の法嗣である雲南応悦によって再興され、その際に金山寺と改称されました。

明治時代に入ると、金山寺は地域における信仰の中心としての役割を担うようになります。1909年（明治42年）には、境内にあった弘法堂が中濃二十一番弘法の第八番札所となり、1915年（大正4年）には中濃新四国第七十七番霊場に指定されました。これらの指定は、金山寺が地域住民にとって重要な巡礼地であることを示しています。

本堂は、創建当初は萱葺き屋根でしたが、大正時代初期に瓦葺きへと改築されました。その後、老朽化が進んだため、1983年（昭和58年）に新築されました。これにより、参拝者はより快適な環境で参拝できるようになったと言えるでしょう。梵鐘は享保年間のものが使用されていましたが、戦時中に供出されてしまいました。現在の梵鐘は、1949年（昭和24年）に新たに鋳造されたものです。鐘楼は1942年（昭和17年）に改築されており、時の流れを感じさせます。

金山寺が所蔵する円空仏の十一面観音像は、1976年（昭和51年）に各務原市の文化財に指定されました。円空仏は、江戸時代前期に活躍した僧侶であり、仏師でもあった円空が制作した仏像です。その独特の作風は多くの人々を魅了し、現在でも高い評価を受けています。金山寺の十一面観音像も、円空の作風をよく表しており、美術的価値の高い仏像として知られています。

寺の西隣には、1622年（寛文2年）に勧進された金山荒神社が建っています。金山荒神社は、地域の安全や豊作を祈願するために建立されたと考えられています。金山寺と金山荒神社は、長年にわたり地域住民の信仰を集めてきました。

金山寺へのアクセスは、各務原市ふれあいバス稲羽線を利用し、「駒場」バス停で下車するのが便利です。バス停からは徒歩で数分の距離にあり、気軽に訪れることができます。

金山寺は、美しい自然に囲まれた静かな場所に位置しており、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。歴史と文化に触れながら、穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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