金日成と金正日の肖像画

金日成と金正日の肖像画

北朝鮮では、金日成（キムイルソン）と金正日（キムジョンイル）の肖像画が特に重要な文化的象徴とされています。これらの肖像は、1970年代から家庭や公共の場で展示することが法律によって義務づけられています。国民にとって、これらの肖像画は単なる装飾ではなく、国家の理想や指導者に対する忠誠心を示すものとされています。

法律と文化

金日成の肖像は1940年代から約束されており、ソ連のヨシフ・スターリンや中国の毛沢東に倣って、指導者に対しての個人崇拝が文化として浸透しました。1970年代後半からは金正日の肖像画も作成され、その後は様々な公共施設、工場、空港、駅などに飾られるようになりました。

このような習慣は国の文化に深く根付いており、北朝鮮国民は日常的に、聖なる場所としてこれらの肖像画を扱っています。肖像画は国から支給され、各家庭においてはリビングルームの最も目立つ場所に配置することが義務付けられています。さらに、肖像画の周りに物を置くことは厳禁とされており、清掃を行うことが求められています。

配置と管理の規則

肖像画の配置に関しては、明確な規則が定められており、何も置かずに目立つ壁に高い位置で設置し、下を向くように飾ることが求められています。さらに、定期的に清掃し、維持管理を行う責任は特に女性に強く求められています。肖像画の状態は抜き打ち検査の対象となり、適切に管理されていない場合は厳しい罰が科せられます。

金正日の肖像画も金日成の作品と並べて飾ることが義務付けられており、特に2010年以降、その重要性が増してきました。肖像に対する不適切な扱いは厳しい法律によって罰せられ、時には重大な結果をもたらすことがあります。指導者のイメージを軽視することは犯罪とみなされ、肖像画を傷つけた場合は法的措置がとられることになります。

肖像画の進化と仕様

金日成の肖像画は、時代の変遷により数回変更されており、初期の作品では「人民服」を着用していましたが、後に「西洋のスーツ」や「大元帥」の軍服へと変わっていきました。同様に、金正日の肖像画も同様に人民服から軍服へと変化を遂げ、これらの肖像は万寿台創作社で生産されています。ガラス張りの額縁は木製で、全ての管理が徹底されています。

公共の場における肖像画の重要性

公共の場所においても、肖像画は至る所に設置されており、特に正面玄関の上に配置されることが指定されています。これにより、訪れる人々が指導者に対する畏敬の念を抱くことが期待されています。また、家庭に設置された肖像画に対しては、日々、朝夕に頭を下げて挨拶をする義務がありますが、公共の場においてはこの挨拶が義務ではないことが特徴的です。

このように、北朝鮮における金日成と金正日の肖像画は、国家のシンボルとして深く根付いており、その存在は国民の意識に大きな影響を与えています。

もう一度検索