金木銀行

株式会社金木銀行の歴史と役員

株式会社金木銀行は、青森県北津軽郡金木村に設立された金融機関です。この銀行は、1880年代後半に津島家によって設立された小規模な貴金属貸付機関に起源を持ち、その後成長を遂げました。1897年7月、津島家は資本金1万円で「合資会社金木銀行」を設立し、これが銀行としてのスタートとなりました。後に、1919年に会社名を「株式会社金木銀行」と改称し、活動を続けました。

銀行の発展

金木銀行は地域の金融ニーズに応えるべく、事業を拡大していきました。初期の資本金は逐次増加しており、商業興信所による記録では、明治33年には資本金が2万円、さらに第25回の記録では5万円に、そして第38回の調査では25万円に達していたことが示されています。これらの数字は、銀行の成長と信頼が高まっていたことを示しています。

しかし、時代の変化とともに金融業界も変容を遂げ、1938年8月に金木銀行は第五十九銀行に買収されることになりました。これにより、金木銀行としての歴史は終わりを迎えましたが、津島家による運営の伝統はこの地域に深く根付いていました。

役員陣

金木銀行の役員たちは、津島家の人々を中心に構成されていました。明治33年の役員名簿によると、頭取には津島源右衛門が名を連ねており、彼は小説家太宰治の実父でもありました。取締役には高橋彌左衛門が、取締役兼支配役としては野呂寅太郎が在籍していました。業務担当社員として津島忠次郎も重要な役割を果たしていました。

第25回の名簿でも津島源右衛門が頭取として記載されており、取締役には高橋彌左衛門、蛯名元太郎、野呂寅太郎、津島忠次郎が名を連ねています。さらに、第38回の記録では頭取が津島文治に交代し、取締役には引き続き高橋彌左衛門、蛯名元太郎、傍島柾之助、津島忠次郎が名を連ね、監査役には鳴海周次郎と古川政孝が加盟していました。

参考文献

金木銀行や津島家の詳細な情報は、いくつかの文献に記録されています。商業興信所が編纂した日本全国諸会社役員録は、明治から昭和にかけての多くの企業の情報を提供しており、金木銀行もその一環として記載されています。また、相馬正一の『若き日の太宰治』や秋山耿太郎と福島義雄の『津島家の人びと』は、津島家の歴史や太宰治に関する貴重な情報源となっています。

金木銀行は地域の歴史と文化に深い影響を与えた金融機関であり、津島家との関連からも興味深い存在といえるでしょう。

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