津島源右衛門

津島源右衛門：政治家、実業家、そして太宰治の父

津島源右衛門（1871年8月3日 - 1923年3月4日）は、明治から大正時代にかけて活躍した日本の政治家、実業家です。彼は衆議院議員、貴族院議員を務めたほか、金木銀行の頭取、陸奥鉄道の取締役、青森県農工銀行の取締役を歴任し、津島財閥を率いました。また、作家・太宰治の父としても広く知られています。

生い立ちと津島家へ

源右衛門は、1871年に青森県西津軽郡木造村の松木家で、八代目七右衛門の子として永三郎という名で生まれました。その後、北津軽郡金木村の津島家の養子となり、津島源右衛門と改名しました。

実業家、そして政治家へ

1897年、源右衛門は金木銀行を設立し、頭取に就任。地域経済の発展に貢献しました。1901年には青森県会議員に当選し、政治家としての道を歩み始めます。1912年には、第11回衆議院議員総選挙に立憲政友会から立候補し、見事当選を果たしました。さらに1922年には、貴族院多額納税者議員の補欠選挙で当選し、その影響力をさらに高めました。

家族と親族

津島家は、多くの著名な人物を輩出しています。

兄：松木幹三郎 - 娘の岳父は貴族院議員の宇野勇作。
実子：津島文治（政治家）、太宰治（津島修治、作家）。
養子：津島季四郎 - 衆議院議員の平山為之助、貴族院議員の鳴海周次郎は義理の兄弟。季四郎の義弟は貴族院議員の初代佐々木嘉太郎の孫、弟は貴族院議員の二代目佐々木嘉太郎。
娘婿：小館貞一（青和銀行頭取） - 娘・京の夫。京と貞一の義弟は青森銀行頭取の高谷英城の息子・進三。
孫：津島康一（俳優）、津島佑子（作家）、太田治子（作家）。
曾孫：津島恭一（政治家）、津島淳（政治家）、石原燃（劇作家）。

このように、津島家は政治、経済、文化の各界に人材を輩出し、日本の近代化に大きく貢献しました。

津島源右衛門は、地方銀行の設立や鉄道事業への参画を通じて地域経済の発展に尽力する一方、政治家としても国政に貢献しました。また、彼が育てた息子・太宰治は、日本文学史に名を残す作家となりました。津島源右衛門の生涯は、明治から大正という激動の時代を駆け抜けた一人の実業家、政治家の足跡として、今もなお私たちに多くのことを語りかけています。

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