金沢医科大学 (旧制)

旧制金沢医科大学の歴史と沿革

旧制金沢医科大学（きゅうせいかなざわいかだいがく）は、1923年3月に設立された官立の医学専門学校であり、略称は金沢医大です。本稿では、この大学の成立の背景や沿革を詳しく解説します。

概要

金沢医科大学は、大正時代の教育拡充政策のもと、1910年代初頭からの官立医学専門学校の分類に基づき設立されました。旧金沢医専は、北海道・岡山・長崎に次いで設立された重要な教育機関であり、後に金沢大学医学部の一部として発展しました。また、この大学の源流は加賀藩時代に設立された「種痘所」に遡ります。

最初は医学部のみの設立でしたが、その後、附属薬学専門部や臨時附属医学専門部が追加されました。更には、北陸帝国大学の設立運動においても、金沢医科大学は中心的な存在とされ、総合大学への昇格が計画されていました。しかし、この運動は実を結ぶことはありませんでした。

沿革

藩政時代

1862年、加賀藩によって種痘所が設立され、金沢医科大学の基礎が築かれました。その後、1867年には西洋式病院として養生所が設立され、医療教育の発展が促進されました。1868年には、蘭方医の黒川良安が医学校設立のための視察を行い、彼は金沢医大の祖として知られています。

1870年に養生所は廃止され、新たに医学館とその附属病院が設立されました。1873年には文部省の命により医学館が金沢病院と改名され、公立学校としての運営が始まりました。

公立学校時代

1876年に医学所が分離され、金沢医学所として医学生教育が行われることになります。1887年には、第四高等中学校に移管され、医学部に改称されたことにより、学生は更なる医学教育を受けることが可能となりました。

金沢医専時代

1901年、金沢医学専門学校が設立され、精鋭医学生の養成がより体系的に行われるようになりました。1915年には創立25周年を迎え、大学の発展に拍車がかかります。

金沢医大時代

1923年、金沢医専が昇格し、金沢医科大学が正式に設立されました。初代学長には高安右人が任命され、同年4月には医学科が設置され、その後看護婦養成科も附属医院に設置されました。1924年には開学式が行われ、医学教育が本格的に開始されました。1949年には国立学校設置法により、金沢大学医学部が設立され、金沢医科大学はその傘下に移行します。

附属薬学専門部

金沢医科大学の附属薬学専門部も長い歴史を持っています。1867年に製薬所が設立され、その後の教育機関編成を経て、1949年には新制金沢大学薬学部が発足しました。

結論

旧制金沢医科大学は、日本の医学教育における重要な位置を占めており、その歴史は多くの医学専門家を育成した背景を持っています。金沢大学に統合された後も、その理念は受け継がれています。このような歴史を知ることで、医療の発展に寄与した多くの人々の努力を理解し、感謝の意をもってその歩みを振り返ることができるでしょう。

もう一度検索