金華府

金華府は、中国史において、元末から民国初期にかけて存在した地方行政区画です。現在の浙江省金華市を中心とした地域を管轄していました。その歴史は、元朝末期に始まり、明朝、清朝の時代を経て、中華民国初期に終焉を迎えます。

金華府の成立

金華府の直接的な前身は、1358年に朱元璋によって改められた婺州路（ぶしゅうろ）です。朱元璋は、婺州路を寧越府（ねいえつふ）と改称しました。しかし、その2年後の1360年には、寧越府はさらに金華府へと改称され、この名称が定着することとなります。この改称は、この地域における政治的な重要性の高まりを示唆しています。

明代の金華府

明朝の時代、金華府は浙江省に属し、その管轄下には8つの県が置かれていました。これらの県は、金華、蘭谿（らんけい）、東陽（とうよう）、義烏（ぎう）、永康（えいこう）、武義（ぶぎ）、浦江（ほこう）、湯渓（とうけい）でした。これらの県は、それぞれが地域の経済や文化の中心として機能しており、金華府全体の発展を支えていました。

清代の金華府

清朝においても、金華府は引き続き浙江省に属し、行政区分は明代とほぼ同じでした。金華、蘭谿、東陽、義烏、永康、武義、浦江、湯渓の8県が管轄下に置かれ、この地域は安定した行政運営のもとで発展を続けました。清朝の時代も、金華府は重要な地域拠点としての役割を果たし続けました。

金華府の廃止

1913年、中華民国の成立に伴い、金華府は廃止されました。これにより、金華府という地方行政区画の歴史は幕を閉じました。しかし、金華府が存在した時代は、その地域の文化や歴史に大きな影響を与え、現在の金華市とその周辺地域にその足跡を色濃く残しています。

金華府の歴史は、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で重要な事例の一つと言えるでしょう。その存在は、この地域の歴史、経済、文化に深く根ざしており、今日においてもその影響を感じることができます。

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