金谷寺

金谷寺（きんこくじ）

金谷寺は、岐阜県美濃市乙狩に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を大洞山と称し、本尊には十一面観音菩薩が祀られています。また、中濃八十八ヶ所霊場の二十六番札所としても知られ、多くの参拝者が訪れます。

歴史

金谷寺の起源は、文明年間に高賀山蓮華峯寺（現在の高賀神社）の一坊として、大洞山龍王寺という名で創建されたと伝えられています。しかし、開山や開基については詳しい記録が残っておらず、その詳細は不明です。寺号の由来は、かつて寺のあった谷で金が採れたことにちなむとされています。

室町時代の末期には、蓮華峯寺が洪水によって流されてしまったため、金谷寺は現在地に移転しました。その後、万治元年（1658年）には、清泰寺二世の鉄松玄固（てつしょうげんこ）を招き、臨済宗妙心寺派の寺院として再興されました。この再興によって、金谷寺は現在の形に繋がる基盤が築かれました。

明治時代に入ると、明治6年（1873年）には、金谷寺の境内が牧谷小学校の仮校舎として使用された時期もありました。これは、当時の社会情勢や教育事情を反映する出来事と言えるでしょう。歴史的な経緯から、現在では高賀と乙狩の住民が主な檀家となっています。地域の人々の信仰を集める寺として、今日までその役割を果たしています。

境内には大師堂が設けられており、中濃八十八ヶ所霊場の二十六番札所として、多くの巡礼者が訪れます。この霊場巡りは、地域の歴史や文化に触れる良い機会であり、金谷寺は巡礼者にとって重要な場所となっています。

参考文献

* 『美濃市史 通史編　下巻』　美濃市　p445　昭和55年


金谷寺は、その長い歴史の中で、地域の変遷を見守り続けてきました。今日でも、多くの人々の信仰を集め、地域の文化と歴史を伝える重要な場所として、その存在感を示しています。

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