金魚坂上ル

金魚坂上ル

『金魚坂上ル』（きんぎょざかのぼる）は、PEACH-PITによる日本の漫画作品。講談社の『デザート』にて2012年10月号から2015年8月号まで連載されました。PEACH-PITにとって、『デザート』での連載は今作が初となります。コミックスは全5巻で、話数の数え方は「第○現象」と独特です。

あらすじ

物語は、都立高校2年生の花小野（はなおの）にしきが、かつて暮らしていた坂の多い町・深郷（みさと）町で、紙屋を営む祖母と暮らし始めるところから始まります。にしきは町で「すくい屋」という人助けを始めます。幼なじみの蒼馬（そうま）は、極度の方向音痴で人の良いにしきを心配しながらも、彼女の活動を見守ります。放課後になると、にしきは古びた自転車で坂道を駆け抜け、人々を「すくって」いきながら、自身の欠けた記憶のカケラを集めていきます。

ある日、にしきは一人で留守番をする妹の話し相手を依頼されます。そこで出会ったのは、依頼者の遠野紺（とおの こん）とその妹・朱（あかい）という不思議な兄妹でした。彼らとの出会いが、にしきの記憶探しに新たな展開をもたらします。

登場人物

花小野 にしき（はなおの にしき）
本作の主人公。都立蛍見坂（ほたるみざか）高校2年に転入してきた女子生徒。面倒見が良く、放課後や休日に「すくい屋」という人助けをしています。極度の方向音痴で、亡くなった祖父が使っていた古びた自転車を使っています。「すくい屋」の仕事を終えた後、「すくわれ（依頼者）」にお代として折紙の裏に仕事をした旨の覚え書きを記してもらい、それを折り鶴にして保存しています。
遠野 紺（とおの こん）
暗闇坂（くらやみざか）にある下宿「葛葉莊（くずはそう）」の管理人。大学で民俗学の研究をしています。にしきへの依頼の手紙では、妹の相手をしてほしいと書きました。
遠野 朱（とおの あかい）
紺の妹。利発な小学生。自分たちはキツネの兄妹だと、にしきに話します。宮沢賢治の作品を好みます。
見崎 蒼馬（みさき そうま）
都立蛍見坂高校2年生。にしきの幼馴染。弓道部所属。方向音痴のにしきを心配し、すくいに同行します。
金魚屋
江戸時代から7代続く老舗の金魚屋「丸越善次郎（まるこし ぜんじろう）商店」の店主。一見強面ですが、根は親切です。
ビダイ
葛葉莊の住人。美術大学の浪人生。
おばあちゃん
にしきの祖母。紙漉坂（かみすきざか）で「紙や 花お」を営んでいます。
鏑木 若葉（かぶらぎ わかば）
にしきと蒼馬の幼馴染。初恋相手は、にしき。
見崎 寿美（みさき すみ）
にしきのクラスメイト。愛称：ミサ。
本田 みなみ（ほんだ みなみ）
にしきのクラスメイト。愛称：パンちゃん。
カノ
弓道部のマネージャー。にしきの邪魔をします。

書誌情報

PEACH-PIT 『金魚坂上ル』 講談社〈KC デザート〉、全5巻

2012年12月19日発行、ISBN 978-4-06-365715-9
2013年6月13日発行、ISBN 978-4-06-365731-9
2014年3月13日発行、ISBN 978-4-06-365756-2
2014年11月13日発行、ISBN 978-4-06-365788-3
* 2015年8月12日発行、ISBN 978-4-06-365827-9

脚注

デザートWEB『金魚坂上ル』作品紹介ページ - ウェイバックマシン

もものたね - PEACH-PIT on Web - ウェイバックマシン（日本語）

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