金龍寺 (安曇野市)

金龍寺（きんりゅうじ）

金龍寺は、長野県安曇野市豊科高家に位置する臨済宗妙心寺派に属する寺院です。この寺の山号は乗護山で、鎌倉時代に遡る起源を持つとされる歴史ある寺院です。現在の金龍寺の再興は1878年に内務省から許可を得て行われ、その後、1952年11月25日に宗教法人としての登記がされています。

歴史的背景

金龍寺の敷地は、戦国時代に安曇郡一帯を支配していた豪族である仁科氏の支族、真々部氏の真々部氏館の二の廓の跡に建てられています。その土地はやや高台になっており、堀の痕跡が今でもわずかに残っていますが、古の時代を感じさせるものはほとんどありません。

大門参道付近では、多くの石造物が今も残されており、特に1842年に造られた「百体観音」として知られる観音石像が名物です。これらの石像は、地域の人々の信仰の象徴となっており、訪れる人々がその文化的な価値をおおいに感じることができます。

だるま寺としての金龍寺

金龍寺は「だるま寺」とも呼ばれており、境内ではだるま人形が製作されています。毎年1月上旬には「だるま市」が開催され、参拝者が集まり賑わいます。また、常時だるまが販売されており、その多くは参拝の記念や願掛けとして購入されます。こうした地元の伝統行事は、訪れる観光客にも人気があります。

浅沼稲次郎の石碑

境内に位置する浅沼稲次郎の「日々是好日」の石碑も見逃せません。この碑は、1950年代に政治活動を行っていた浅沼稲次郎が、1960年9月4日に金龍寺で講演を行った際に揮毫した言葉を刻んだものです。彼がこの寺で講演を行った一月余り後に刺殺されたため、この碑は地域の人々によって建立され、彼の活動を後世に伝えています。浅沼氏が残した言葉は、今でも人々に影響を与え続けています。

アクセスと周辺

金龍寺は安曇野市内の美しい自然環境の中に位置しており、周辺には他にも歴史的な名所や観光地が点在しています。訪れる際には、その歴史と文化を深く感じることができる貴重な体験ができるでしょう。

金龍寺はその美しい景観と共に、地域の信仰や文化的な価値を今に伝える大切な場所です。訪れる人々は、この歴史ある寺院の雰囲気の中で、心を落ち着け、様々な思いを巡らせることができます。

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