釘宮辰生

釘宮辰生の生涯

釘宮辰生（くぎみや ときお）は、1872年に大分県北海部郡海添村内畑で生まれました。彼の父、釘宮伝四郎は役所で土木関係の仕事をしており、家族は転勤を繰り返しましたが、1885年に父が急死し、辰生は貧しい母と祖母とともに生活を始めます。学びの道を志し、大分尋常中学校に入学するも、経済的な理由からわずか2年で退学。

キリスト教との出会い

1887年には、裁判所に就職するもそこで運命的な出会いがありました。大分中学の英語教師であるS・H・ウェンライトとの出会いを通じて、釘宮は友人の柳原直人に誘われ教会に足を運びました。聖書と出会い、彼の人生は大きく変わります。同年、彼は洗礼を受けるとともに、大分美以教会の設立に関わり、「大分リバイバル」と呼ばれる聖霊体験も経験しました。

伝道者の道

1891年に伝道者としての道を志し、1892年には母と共に神戸へ移り、関西学院神学部に入学。優れた指導者J.C.C.ニュートンの下で信仰を深め、その後アメリカのトリニティ・カレッジに留学。その後、帰国し広島での伝道を開始し、全国各地を巡回しました。

1934年に米国教会総会の訪問使として渡米し、旅の途中ではヨーロッパやパレスチナを巡るなど、熱心に伝道活動を行いました。アジア地域にも目を向け、朝鮮や満州国でも伝道を続けました。

関西学院での役割

1941年、太平洋戦争が始まるころ、釘宮は関西学院の講師兼教会の牧師に就任します。しかし、戦時中は学院の環境が一変し、教授陣は疎開を余儀なくされ、校舎の一部は軍に徴用されました。米軍の空襲が続く中、彼は牧師館で礼拝を続けることを選び、信仰を貫きました。

釘宮の健康は食糧難に影響され、1947年には急性肺炎を患った結果、9月13日に逝去しました。彼の口癖であった「常に喜べ、絶えず祈れ、全ての事感謝せよ」という言葉は、彼の生き方そのものであり、信仰の強さを示しています。葬儀は関西学院教会にて行われ、遺骨は妻と共に故郷の臼杵に埋葬されました。

まとめ

釘宮辰生は、日本のキリスト教界に多大な影響を与えた人物です。彼の生涯は信仰の力を示し、人々への伝道の思いが詰まったものでした。関西学院との関わりも深く、彼の業績は現在も多くの人々に語り継がれています。

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