鈴丹

株式会社鈴丹（SUZUTAN CO., LTD.）

株式会社鈴丹は、かつて婦人服専門店として国内首位を誇ったレディスファッションチェーンを運営していた企業です。2012年に株式会社パレモに吸収合併され消滅しましたが、2024年現在もパレモの店舗ブランドとしてその名を残しています。

概要

1949年、鈴井桂夫が名古屋市に「鈴丹洋装店」を開業したのが始まりです。創業者の名から一字と、「まごころ」を意味する「丹」を組み合わせた社名には、顧客への誠実な思いが込められています。

当初は衣料品統制時代であり、商品を自由に扱うことができませんでした。そのため、店舗の一部をクリーニング店として運営し、時代を乗り越えました。1950年代には舶来服地を扱うようになり、売上を大きく伸ばしました。

1953年に法人化し、株式会社鈴丹洋装店を設立。その後、南大津通に2号店を開設し、表通りへの進出を果たします。1960年代には、多店舗展開を本格化させ、東海地方を中心に店舗網を拡大しました。

1970年代にはプライベートブランド「ジョリ・エ・ベル」を発売。中国、北陸、関東、四国、関西、東北、九州地方へ進出し、全国的なチェーンストアへと成長を遂げました。1986年には婦人服専門店として国内首位の座を獲得しました。

しかし、1990年代に入ると経営が悪化。子会社の債務超過やインサイダー取引疑惑など、様々な問題が表面化しました。2004年にはユニーの連結子会社となり、リストラを進めますが、2012年にパレモに吸収合併され、企業としての歴史に幕を閉じました。

沿革

1949年：鈴井桂夫が「鈴丹洋装店」を開業
1953年：株式会社鈴丹洋装店を設立
1966年：中日ビルに中日店を開店し、チェーン展開を開始
1972年：広島店を開店し、中国地方へ進出
1975年：関東、四国、関西、東北、九州地方へ進出
1986年：婦人服専門店として国内首位を達成
1992年：売上高1000億円を突破
2004年：ユニーの連結子会社となる
2012年：パレモに吸収合併

店舗ブランド

吸収合併時点の店舗

SUZUTAN（スズタン）
S.I2.C（エスアイツーシー）
Peak（ピーク）
NOWHERE（ナウヒア）
LUCCICA（ルシカ）
Deux VISAGES （ドゥ・ヴィサージュ）
CANDY RING（キャンディリング）
Forest Heart（ホレストハート）:2024年（令和6年）2月20日時点でパレモの店舗ブランドとして営業を継続している。
FAZBEE（ファズビー）
AZUL by moussy（アズールバイマウジー） - FC事業7店舗
supure（スプル）:2024年（令和6年）2月20日時点でパレモの店舗ブランドとして営業を継続している。
COVELY（カブリ）

吸収合併前に消滅した店舗ブランド

人2（ヒトヒト）
The tep（ザ・テップ）
ローティン・テップ
ベルミエ
ベルナード

メンズブランドは2011年6月末に全店舗を閉店し、メンズ事業から撤退しました。

事件

1990年代には、創業者がインサイダー取引に関与したとして起訴される事件が発生しました。この事件は、その後の経営悪化の一因となりました。

現在

株式会社鈴丹は消滅しましたが、「SUZUTAN」や「Forest Heart」、「supure」などのブランドは、現在もパレモの店舗ブランドとして営業を継続しています。かつて一時代を築いた鈴丹のDNAは、形を変えながらも生き続けています。

もう一度検索