鈴子の恋

『鈴子の恋 ミヤコ蝶々女の一代記』は、2012年1月から3月にかけて、東海テレビと共同テレビの共同制作により、フジテレビ系列で放送された昼の帯ドラマです。平均視聴率は4.2%でした。

概要

このドラマは、昭和という激動の時代を、波瀾万丈な人生を生き抜いた女優、ミヤコ蝶々（本名：日向鈴子）の生涯を描いています。主人公の鈴子を演じるのは、元宝塚歌劇団月組トップ娘役の映美くらら。彼女にとって、本作がテレビドラマ初主演となりました。また、鈴子の母役で浅野ゆう子、父役で片岡鶴太郎が出演しており、特に片岡鶴太郎は、左手で本作のタイトルロゴも手がけています。ドラマのキャッチコピーは「献身。愛欲。蝶々。」です。

あらすじ

物語は、旅芝居の一座で育った鈴子が、芸人として、また一人の女性として、数々の試練に立ち向かう姿を描いています。幼少期、鈴子は「河原乞食」と罵られることもありましたが、持ち前の勝ち気な性格で毅然と対応。その後、芸に生きる中で二度の恋を経験しますが、いずれも周囲の妨害により引き裂かれます。吉本興業に引き抜かれてからも冷遇されますが、柳枝との不倫の末に結婚。戦後、二人で劇団を立ち上げるものの、柳枝の不倫が原因で離婚に至ります。その後、相方との不仲やヒロポン中毒を経験しますが、朝治の支えによって克服し、彼と再婚。しかし、またしても不倫に苦しみ、離婚。さらに、プロデューサーの田淵とは相思相愛ながらも、すれ違いが続くという、波乱万丈な人生を送ります。

主な登場人物

日向鈴子（ミヤコ蝶々）：映美くらら（幼少時代：美山加恋）
主人公。旅芝居の座長から、吉本興業所属の芸人へ。後に「ミヤコ蝶々」と名乗る。勝ち気な性格で、二度の恋に破れ、三度の結婚と離婚を経験。

日向さき：浅野ゆう子
鈴子の継母。元芸者で、鈴子を実の娘のように愛情深く育てる。鈴子の芸の師匠でもある。劇団の中国慰問中に白血病で亡くなる。

ミス・ワカナ：三倉佳奈
破天荒な天才漫才師。鈴子の良き理解者。ヒロポン中毒で命を落とす。

三遊亭柳枝：神保悟志
落語家。鈴子の最初の夫。不倫の末に結婚するも、劇団員との不倫で離婚。末期がんで鈴子の腕の中で息を引き取る。

斎藤ハナ：多岐川裕美（特別出演）
鈴子の実母。英次郎の元妻。

吉村朝治（南都雄二）：山崎樹範
鈴子の弟子であり、相方、二度目の夫。鈴子を支え続けるが、病で亡くなる。

坂巻良太：鈴木裕樹（幼少時代：橋口良太）：西井幸人
鈴子の初恋の相手。音楽を愛し、バイオリニストを目指す。戦争で左手を失うが、後に指揮者として成功。

佐伯真蔵：木村了
劇場主の息子。鈴子の二度目の恋の相手。鈴子と駆け落ちするが、実家に戻される。

吉本せい：かとうかず子
吉本興業の創業者。鈴子を何かと気にかける。

日向英次郎：片岡鶴太郎
鈴子の父。旅芝居の一座の座頭。

その他

ドラマには、上記以外にも、鈴子の一座のメンバーや、吉本興業の芸人たち、鈴子を取り巻く様々な人物が登場します。

劇中歌

劇中では、「荒野の女神」「女神のワルツ」というオリジナル曲が制作されました。「荒野の女神」は、良太が鈴子への思いを歌にしたもので、「女神のワルツ」は、鈴子が良太への思いを綴ったアンサーソングです。

スタッフ

企画：西本淳一（東海テレビ）
脚本：大石静、長沖渉
演出：木下高男、三木茂、小山田雅和、朝比奈陽子
題字：片岡鶴太郎
音楽：森英治

関連商品

CD「恋をリリース」（松任谷由実）
CD「鈴子の恋」オリジナルサウンドトラック（森英治）

総括

『鈴子の恋 ミヤコ蝶々女の一代記』は、一人の女性の波乱に満ちた人生を、愛と情熱、そして昭和の時代背景とともに描いたドラマです。豪華なキャスト陣による熱演と、ドラマを彩る音楽も魅力です。ミヤコ蝶々の生涯に関心がある方はもちろん、昼ドラマファンにとっても見応えのある作品と言えるでしょう。

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