鈴木久嗣

鈴木 久嗣（すずき ひさつぐ）

鈴木久嗣は、1970年に愛知県知立市で生まれた日本の陸上競技選手である。彼の競技人生は中学時代から始まり、そこでの成果がその後のキャリアに大きな影響を与えた。中学3年生時には全日本中学校選手権の走り幅跳びで優勝し、ジュニア・オリッピックでも7m15cmという大会タイ記録を樹立した。特に中学時代の彼は、出場した全ての大会で優勝し、名実ともに優れた選手としての地位を確立していく。

当初は主に走り幅跳びの選手として活躍していた鈴木だが、高校入学後に短距離の100mへと転向する。彼は中京大中京高校に進学し、短距離競技に特化していった。1986年には名古屋学院とのリレー競技で僅差で敗れたものの、その走力が高く評価され、若手選手の中で注目されるようになる。鈴木はインターハイでの名古屋学院との競い合いを通じて、競技への情熱をさらに深めていった。

高校総体において、鈴木は4×100mリレーメンバーに選ばれてアンカーを任された。しかし、決勝レースでは期待に反して表彰台を逃してしまった。これには悔しさが残ったが、それが彼の成長を促す要因となり、2年後の全国高校総体では雪辱戦に挑む。鈴木はリレーの決勝で見事にライバル校を抜き去り、41秒05という素晴らしいタイムで全国優勝を遂げた。

鈴木はその後も短距離選手として活躍を続け、4×100mリレーで日本記録を3度更新。オリンピックや世界選手権など国際大会でも数多くの入賞を果たしており、さらに各走順をこなす能力も備えている。1992年のバルセロナオリンピックでは、4×100mリレーに出場し、戦後初の決勝進出を果たして6位に入賞。なお、このレースでは当時のアジア新記録（38秒77）も樹立した。

その後、鈴木は1993年の日本選手権で100mの3位に入賞し、バッファローユニバーシアードでも400mリレーに出場し2位となる。1995年には世界陸上選手権イェーテボリ大会の4×100mリレーに出場し、準決勝では当時の日本新記録（38秒67）を樹立し、決勝でも5位入賞を果たした。この成功は鈴木にとって大きな自信となり、同年には宮内庁に招待され、天皇・皇后と対面する機会も得た。

現在、鈴木久嗣は愛知県に所在するビューテック(株)に在籍しており、競技生活を経て新たな人生を歩んでいる。彼の歩みは陸上競技界において、多くの若者にとってのロールモデルとなる存在である。

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