鈴木家の嘘

鈴木家の嘘

『鈴木家の嘘』は、2018年11月16日に公開された日本映画。監督は野尻克己。

概要

本作は、松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクトの第6弾として制作された。橋口亮輔、石井裕也、大森立嗣といった名だたる監督の助監督を務めてきた野尻克己の劇場映画デビュー作であり、脚本も自身で手掛けている。第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品され、作品賞を受賞するなど、高い評価を得た。

ストーリー

鈴木家の長男・浩一は、引きこもりの生活を送っていたがある日突然自殺してしまう。母・悠子は、そのショックで気を失い倒れてしまう。四十九日の法要で悠子は目を覚ますが、浩一が亡くなった記憶だけが抜け落ちていた。悠子が「浩一は？」と尋ねると、長女の富美はとっさに「アルゼンチンに行った」と嘘をつく。アルゼンチンには悠子の弟・博が住んでおり、浩一はそこで仕事を手伝っているという設定にしたのだ。悠子のショックを和らげるため、家族や親戚を巻き込んだ、嘘のアリバイ作りが始まる。

キャスト

鈴木幸男：岸部一徳
鈴木悠子：原日出子
鈴木富美：木竜麻生
鈴木浩一：加瀬亮
鈴木君子：岸本加世子
吉野博：大森南朋
日比野さつき：吉本菜穂子
北別府：宇野祥平

スタッフ

監督・脚本：野尻克己
音楽：Akeboshi
主題歌：Akeboshi「点と線」
製作：井田寛

受賞歴

第31回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 作品賞
第40回ヨコハマ映画祭 日本映画ベスト・テン 第9位
第23回新藤兼人賞 金賞
第73回毎日映画コンクール 脚本賞
第33回高崎映画祭 最優秀主演女優賞（原日出子）、新進監督グランプリ
第92回キネマ旬報ベスト・テン 新人女優賞（木竜麻生）、日本映画ベスト・テン 第6位

解説

本作は、家族の喪失と再生をテーマに、嘘と真実が入り混じる中で、家族の絆を描き出すヒューマンドラマである。記憶を失った母を思いやる家族の優しさ、それぞれの秘密を抱えながらも支え合う姿が、観る者の心を温かくする。

野尻克己監督は、自身の経験をもとに、ユーモアを交えながら、家族の普遍的な感情を繊細に描き出している。主演の岸部一徳、原日出子をはじめ、実力派俳優たちの演技が、物語に深みを与えている。

評価

『鈴木家の嘘』は、国内外の映画祭で高い評価を受け、多くの観客の心を掴んだ。家族の愛、喪失、そして再生という普遍的なテーマを扱いながらも、独自の視点と演出で、感動的な物語を紡ぎ出している。

関連情報

小説『鈴木家の嘘』(ポプラ社、2020年) - 同名映画のノベライズ

外部リンク

映画『鈴木家の嘘』公式サイト
映画『鈴木家の嘘』公式X（旧Twitter）
映画『鈴木家の嘘』公式Facebook

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